<未来は変わる ちばのSDGs>「造園女子」の憧れ 新松戸造園・広川真知子さん「女性の働きやすさ体現したい」

2022年1月17日 07時10分

樹木の剪定をする広川さん=いずれも松戸市で

 女性活躍推進法が施行されて五年以上が経過したが、女性の活躍は進んでいるだろうか? まだまだ男性中心の造園業界で、積極的に女性を受け入れているのが松戸市の新松戸造園だ。その象徴が、趣味のガーデニングが高じて栄養士から転職した入社七年目の広川真知子さん(41)。難関の国家資格「1級造園技能士」を県内の民間女性で初めて取得するなど、「造園女子」の目標であり、憧れの存在となっている。

高所作業車を使って作業をする広川さん

 昨年十二月下旬、広川さんは市内の自然公園「21世紀の森と広場」で高さ十メートル以上の高木の剪定(せんてい)に取り組んだ。「枯れている枝を取り除きます。落ちると、来園者に当たってけがをさせてしまう恐れがあるからです」。高所作業車を操作しながらの作業は真剣そのものだ。
 社内の肩書は緑化事業部の課長。「21世紀の森と広場」と同社が指定管理者となっている「県立手賀沼自然ふれあい緑道」(柏市)の現場責任者である。緑地の管理をメインとした公園運営が仕事だ。
 「花咲かじいさんのようにいっぱいお花を咲かせたいから」−。広川さんはそんな夢を描いて造園の世界に飛び込んだ。学生の時の就職活動でも選択肢にあったが、「当時は男性が働くイメージが強くて挑戦できなかった」という。栄養士になり学生寮や社員寮の献立を作っていたが、「三十代に突入し、転職するなら今しかない」と決断。職業訓練校に通い、二〇一五年四月、すでに女性が働いていた新松戸造園の門をたたいた。
 広川さんは「デスクワークより体力は使うけど、全く問題はなかった。重機を使う仕事は、女性の力不足がハンディになりません。体力面での不安はすぐになくなりました」。高所作業車はじめ、ショベルカー、クレーンを使う玉掛けなど必要な資格を取得した。

松戸社長(前列中央)と現場で働く女性従業員の皆さん。後列中央が広川さん

 花壇の色彩の組み合わせなど造園の仕事は、女性の感性を生かせる部分が多い。また公園の管理は、地域住民との触れ合いも多く、女性に向いているという。
 同社は全従業員四十人のうち、女性は九人。このうち五人が現場で働く。松戸克浩社長(49)は女性を積極的に採用する理由を「優秀ですし、少子高齢化で働き手が少なくなる中で、女性の力が必要となってくるからです」と説明する。
 女性が活躍する企業を表彰する国の「えるぼし認定制度」で、同社は二〇年に採用数や管理職比率など全五項目の評価基準を満たし、最高位の「三ツ星」に認定された。造園・建設業では県内初。社内に女性専用の休憩室やトイレを設けるなどハード面の環境も整備した。
 広川さんらの活躍ぶりや、女性が働きやすい職場であることをホームページや会員制交流サイト(SNS)で発信し、造園業のイメージ向上に貢献している。入社を希望したり、会社見学に訪れる女性のほとんどが広川さんの存在を知るまでになった。
 昨年四月に入社した五十代の女性は「人生百年時代。植物が大好きなので、オフィス業務以外のこともやってみたくなった」。昨年十一月に入社したばかりの三十代女性は「なかなか一歩が踏み出せませんでしたが、広川さんの活躍を知って転職を決意しました」。
 「造園女子」のフロントランナーとして走り続ける広川さんは、今後の目標をこう語る。「スキルを磨くことはもちろん、造園業界の女性採用や女性役職者の育成が進んでいくように、私自身が女性の働きやすさを体現していきたい」(牧田幸夫)

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