「笑点」新メンバー・桂宮治 パワフル落語で急上昇!

2022年1月17日 17時32分

(C)橘蓮二

 日本テレビ系人気番組「笑点」(日曜午後5時半)の新大喜利メンバーに決まった落語家の桂宮治(45)。本紙の取材に「僕が入ることで、『笑点の風景がちょっと変わったね』と言われる存在になりたい」と抱負を語った。パワフルな爆笑高座で人気上昇中。登場予定の23日の放送回に先駆け、なじみの薄い人のために人となりを紹介する。 (ライター・神野栄子)
 BS日テレ「笑点 特大号」(水曜午後七時)の若手大喜利は、八年ほどの実績があるという宮治。メンバー入りを聞いたのは「日テレの会議室」で、「半袖、短パンで歩けるころだった」そう。「うれしかったが、疑心暗鬼になって『どっきり』じゃないかと思った」と明かす。
 「空気感を壊さないように出しゃばり過ぎず、やり過ぎて邪魔にならないように。一生懸命やるしかない」。五十六年の歴史ある番組へのレギュラー出演に青写真はできている。
 三十歳までは化粧品のセールスマンだった。高校卒業後、俳優を志すも鳴かず飛ばずで就職した。
 大型商業施設などでの実演販売で巧みな話術を駆使して客の心をつかみ、トップセールスマンに上り詰めたが、「このままでいいのか」との思いがあった。たまたまYouTubeで見た桂枝雀の落語に「こんな面白いものがあるんだ。『これだ』と思いました」。結婚前に妻から「やりたいことがあればやってみたら」と言われていたが、気持ちの踏ん切りをつけるため、結婚式の日に会社を辞めると宣言した。
 それから寄席を回って師匠探し。初めて足を運んだ国立演芸場(東京)で、師匠となる桂伸治(69)に出会った。「しゃべる前に体に電気が走って『この人しかない』と。断られたら落語はやめようと思った」
 高座はパワフルだ。激しく体をよじり、顔を紅潮させて灸(きゅう)の熱さを表現するなど大胆なしぐさと、約七年の営業経験を生かしたメリハリのある大きな声で客の心に食い込み、爆笑を取る。明るい性格も相まって芸風がつくられた。二つ目に昇進した半年後にNHK新人演芸大賞の落語部門大賞を受賞。「次代の落語界の担い手」と注目され、昨年二月に五人抜きで真打ち昇進を果たした。
 今回の抜てきにはかん口令が敷かれ、番組収録と重なるとの理由が言えずに落語会を三十件以上断ったが、理由が分かると皆喜んでくれた。師匠への報告も発表当日の元日だったが、「正月早々こんなうれしいことはない。(冗談で)『全員で宮治にぶら下がろう』と話しました」と伸治の舌も滑らかだ。
 所属する落語芸術協会の会長で、「笑点」司会の春風亭昇太(62)からは「いつものように明るくやれば大丈夫」と励まされた。温かく迎えてくれるメンバーたちの空気も感じつつ、宮治は「目の前にいるお客さまに精いっぱい笑ってもらうのが僕のスタイル」だとして、全力で爆笑を取りにいくという。
 「笑点」に詳しい演芸プロデューサー中村真規(まさき)の話 ずば抜けた話術、気配り、話をまとめるセンスは並でない。最初はいじられると思うが、彼にはそれをはね返すパワーがある。
<かつら・みやじ> 1976年東京生まれ。2008年桂伸治に入門し、「宮治」を名乗る。12年二つ目、21年真打ち昇進。13、14年にっかん飛切落語会最優秀賞。演目は滑稽噺(ばなし)、人情噺、怪談噺と幅広い。

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