コロナ禍の学生のもやもや、なんて言ったらいいんだろ… 「STAND UP STUDENTS」学生座談会を開催

2022年1月18日 16時02分

【「なんて言ったらいいんだろミーティング」に参加した皆さん】①安田舜さん(22)明治大4年 ②藤原紗羽さん(20)和光大2年 ③森下瑛子さん(20)東京経済大2年 ④杉浦夏帆乃さん(22)津田塾大4年 ⑤開沼位晏(ともやす)さん(25)明治大4年 ⑥甲斐崎颯斗(はやと)さん(22)法政大4年 ⑦田矢美桜奈さん(21)上智大3年 ⑧日比楽那(らな)さん(21)武蔵野美術大2年 ⑨宮口綾華さん(20)慶応義塾大2年 (写真はすべて東海林広太さん撮影)

 長引く新型コロナウイルスの影響で、オンライン中心の授業が続く大学生たち。同級生や友達と対面で会う機会が限られ、不安や孤独を感じている学生も少なくない。そんな学生たちの座談会イベントを、東京新聞は昨年12月23日、東京・渋谷で開催した。新型コロナによって一変した同世代や社会とのつながりについて盛んに意見が交わされた。 (添田隆典)

円卓を囲んで意見を語り合う学生たち。右から2人目は進行役の熊井さん=いずれも東京都渋谷区で

 イベントは「なんて言ったらいいんだろミーティング」。東京新聞電子版の学割プランのPRサイト「STAND UP STUDENTS」では、学生たちに取材して社会への疑問や将来の悩みなどを紹介しており、交流の機会を設けようと企画した。
 都内の大学に通う男女9人が参加。渋谷パルコのイベントスペース「GAKU」で、参加者同士の間隔を十分取るなど感染対策をして、5人と4人の2部構成で進めた。「GAKU」の事務局長で、若者向けの講座を手がける熊井晃史さん(39)が進行役を務めた。

オンラインの孤独 「若者は」と責められる苦痛

 まず話題に上ったのが、コロナ禍での心の変化。明治大4年の安田舜さん(22)は、3年生になった2020年春から1年間、授業はすべてオンラインに切り替わり、所属している演劇部の会合も、就職活動の面接もオンラインになった。
 現在は少しずつ対面授業が再開されたが、「オンライン期間中は家族以外、会って話す人がいなくて。パソコンの画面越しだと雑談もしづらいし就活仲間もできないから本当に孤独だった」と打ち明ける。耳を傾けていた他の参加者もうなずいた。
 外出自粛期間中は、便利なはずのオンラインツールがストレスになることも。津田塾大4年の杉浦夏帆乃さん(22)は、「LINEなどのメッセージだけだと相手にどう伝わるか細かく気にしないといけない。会って話せば10分で済むことができないのがもどかしかった」と話した。主な情報源のSNSについても「街で遊ぶ一部の若者のことを取り上げて、若者全体を責めるような投稿が流れてきて、精神的に苦痛だった。家にいてもコロナの情報ばかりで意識的に見ないようにしていた」と話した。

「意識高い」と敬遠されて…声を上げにくい空気

 「政治離れ」が言われる若者の政治意識についても議論は盛り上がった。
 「飲み会で政治の話をすると『意識高い』って敬遠される」と苦笑したのは、明治大4年の開沼位晏(ともやす)さん(25)。ジェンダーの問題などに関心があるが、周りの友達の反応は薄く、「自分は少数派なのかな」と居場所のなさを感じることがあるという。
 武蔵野美術大2年の日比楽那(らな)さん(21)からは「話しにくい空気感がある」との意見も。日比さんは親の仕送りに頼らずアルバイトを掛け持ちしながら都内で一人暮らししているが、時給1000円ほどの生活では非常に厳しいという。
 「若い人の賃金が上がっていかないのは、社会の側に問題があると思うけど、個人の問題にされそうでなかなか言い出せない」。進行役の熊井さんも「SNSでも自己責任や『個人の頑張りが足りない』といった意見を見るけど、おかしいと感じることに、声を上げやすいことが社会の前進につながるよね」と語った。
 社会参加のあり方については学生の間でも意見が分かれた。
 和光大2年の藤原紗羽さん(20)は「インフラでも教育でも自分たちより前の世代が準備してくれたもの。次に残していくためにも一人一人が考えて行動するのは当然じゃないかな」と発言。一方、慶応義塾大2年の宮口綾華さん(20)は「貧困や環境問題など社会的なテーマへの関心度合いは人それぞれ。自分の好きな事や夢と同じような頑張りを求めるのは難しいのでは」と話していた。

◆学生生活「充実せず」45% 「シフト減り収入減」20%

 長引くコロナ禍の影響は、数字にも出ている。全国大学生協連が昨年夏、コロナ禍の大学生活について全国調査したところ、「学生生活が充実していない」と回答した学生の割合は「あまりしていない」と合わせて44.7%。コロナ前の2019年秋の調査の約4倍で、2020年秋と比較しても20ポイント近く多かった。
 調査は昨年7月、インターネット上で行い、全国の大学生、大学院生7832人が回答した。
 1週間の登校日数は昨夏で平均2.6日。2020年秋の2.0日よりやや増えた。ただ、大学に対応を強化してほしいことの質問(複数回答)では「同級生とつながる機会づくり」と答えた1、2年生の割合が半数に達するなど、充実感の回復には至っていない。1、2年生は入学以来、対面授業の機会が少なく、友人関係の不安が特に強かった。
 1カ月のアルバイト収入も、「ゼロ〜3万円未満」と回答した学生が過去2年間の調査結果より増加。約2割の学生が「緊急事態宣言・まん延防止等重点措置でシフトが減り、収入が減った」と答えており、アルバイトを取り巻く厳しさも「やや悪化傾向にある」と生協連は分析している。

◆「STAND UP STUDENTS」東京新聞記者も登場

 「STAND UP STUDENTS」には東京新聞の記者も登場し、学生からの疑問に答えるメッセージを掲載している。インスタグラムも開設しており、学生たちが日頃、感じている「もやもや」を紹介する独自コンテンツもある。
【関連記事】なんて言ったらいいんだろミーティング 第1部 レポート(外部サイト「STAND UP STUDENTS」)

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧