通勤ラッシュの電車本数、増やす?減らす? 「密」対策で分かれる判断、春のダイヤ改正

2022年1月18日 20時28分
 今春の首都圏鉄道各社のダイヤ改正で、通勤ラッシュ時の対応が分かれた。新型コロナウイルス禍の長期化による乗客減を見据え、JR東日本などは運行本数を減らす方向に舵を切ったが、反対に車内の「密」を避けようと現状を維持したり、本数を増やしたりする社も。1都3県でオミクロン株の感染が急拡大する中、各社は頭を悩ませている。(加藤益丈)
 「(保有)車両を減らすことがコストを減らす非常に大きな要素」。JR東の深沢祐二社長は昨年11月の記者会見でこう述べた。
 同社は3月12日のダイヤ改正で、山手線、東海道線、中央線など16路線の通勤時間帯(午前6時~9時台)の運転本数を6%減らす。東日本大震災で常磐線が一部区間不通となったことに伴う2012年の改正を除くと最大規模の本数削減になるという。
 新ダイヤでは、山手線はピーク時の1時間で、外回りが18本、内回りが20本になり、現行ダイヤからそれぞれ2~3本減る。

◆乗客大幅減で…

 JR東の昨年4~9月の運輸収入は5124億円。乗客数の大幅減で、コロナ禍前の19年同期の54%にまで落ち込んだ。深沢社長は会見で「乗客数はすぐにコロナ禍前に戻らない」との見方を示し、運転本数抑制による経費節減の必要性を強調した。
 東武鉄道も、午前6時~9時台のスカイツリーラインの運転本数を現行から1割減らす。主要駅の北千住駅の午前6時半~9時半の乗車率がコロナ禍前の7割に減るなど利用状況の変化を考慮した。
 西武鉄道は池袋線の快速急行を1本、新宿線の通勤急行1本と各駅停車2本の運転を取りやめる。京王電鉄も京王線の本数を減らす予定だ。

◆混雑の時間帯が変化

 これに対し東京都交通局は「乗客の一部が混雑のピーク時から早朝にシフトしている」として、都営新宿線で午前6時台の本八幡発と、同7時台の新宿発を1本ずつ増やす。
 小田急電鉄は、常に満席に近い状況という通勤客向け特急ロマンスカー「モーニングウェイ」を3本増やす。全体でもピーク時間帯に都心に直通する電車の運行本数は36本から38本に増える。
 一方、東京メトロは「運行本数を減らすと混雑する可能性がある」、東急電鉄は「今後戻ったら混雑につながる可能性がある」として通勤時の削減はしない方針だ。
 利用客の反応はどうか。JR総武線、山手線で通勤する東京都杉並区の男性(69)は「本数抑制で混むのは困るけど、乗客が減っているのでそういう会社があるのは理解できる」と話した。東京都三鷹市の40代女性は「コロナ禍で通勤時間を少し遅らせたり、遠回りになるが混んでいない電車に変えたりしている」と明かし、本数減はやむを得ないとの考えを示した。

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