川口いじめ 署の文書と食い違い 録音データ内容が判明 弁護士は同席せず

2022年1月19日 07時37分
 川口市立中学校の元生徒の男性(19)が受けたいじめに関する会議を巡り、武南署が虚偽の文書を作成したと男性側が訴えている問題で、会議の録音データの内容が判明した。市教育委員会が所持していたもので、不明瞭な部分もあるが、文書に記載された弁護士の発言がないなど、録音と署の文書で内容に食い違いがあることが分かった。(柏崎智子、杉原雄介)
 会議は二〇一六年十二月に学校で開かれ、武南署員二人と校長、市教委職員、男性側弁護士二人、男性の母親の森田志歩さんらが集まった。署の文書には、男性の被害届を受理できないと署員が会議で伝え「同席した弁護士からは、自分は刑事事件に詳しいが、私も被害届は受理しないと思います。警察の判断は正しいと思います。との発言があった」と書かれている。
 しかし、森田さんは「弁護士はその場におらず『警察の判断は正しい』などの発言もなかった」と主張。県警に文書の訂正を求めたが、県警は「事実が確認できない」として応じず、男性側は二〇年、虚偽公文書作成などの疑いで署員二人をさいたま地検に告発。地検は昨年十二月に嫌疑不十分で不起訴としたが、捜査の過程で会議を録音したデータの存在が判明した。
 市教委は今月、男性側に録音データを提供。それによると会議開始前、校長は市教委職員や署員に弁護士を同席させるか相談。女性の声で「段取りが既に決まっている」などの発言があり、署員が被害届の扱いについて説明する間は弁護士を同席させないことに決まった。会議出席者のうち女性は森田さん、弁護士の一人と武南署員の二人。会議が始まると同じ女性の声が武南署員だと名乗り、不受理について説明した。
 弁護士は説明後に入室し、その後に市教委職員や署員が不受理を伝える声は残っていない。弁護士は一般論として「警察がなかなか立件できないのはわれわれも刑事事件をやっているのでよくわかります」と述べているが、文書に書かれた「私も被害届は受理しない」「警察の判断は正しい」との発言はなかった。
 男性側は不起訴を不服として検察審査会に申し立てており、近く音声データを証拠として提出する。また、県警には「虚偽記載が明らかになった」として文書の訂正を再度求めている。県警は取材に「現時点で話すことはない」とした。

◆録音されたやりとり(一部)

(会議開始前、弁護士が同席を求めていることを校長が相談)
女性 引く気はなさそうですか?
校長 ですねえ、うーん。
(中略)
女性 発言をされるとかっていうことでなく、黙って聞いているだけという話であればまあ、(聞き取れず)、指示を出されると、進行上もやっぱり円滑にいかなくなりますよね。当初予定していた、われわれが話をする段取りがもう既に決まっているわけですから、イレギュラーな説明を必要とするような質問が入る場合もありますしね。想定外です。時間的なものを区切って、今言ったように、最初の何分間か、30分なりなんなりはご本人の入場で説明して、必要があれば入って聞いていただくのは構わないですけども、ということであればね。最初から(聞き取れず)どうのこうのというのは、それは違うんじゃないかなっていう。
校長 分かりました。じゃあ半まで待ってもらうことにしますか。
女性 はい。

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