<社説>重点措置の拡大 先手の対策を躊躇なく

2022年1月19日 07時45分
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府はきょう「まん延防止等重点措置」の適用地域拡大を決定する。感染力が強いとされる変異株「オミクロン株」の勢いを止める対策を集中的に講じたい。
 重点措置は広島、山口、沖縄三県に加え、首都圏や東海三県などにも拡大する。期間は二十一日から三週間程度の見通しだ。
 自治体で対応は異なるが、往来自粛や少人数での飲食呼び掛けのほか、飲食店に営業短縮や酒類提供停止を要請する地域もある。地域の実情に応じて、適切な対策を躊躇(ちゅうちょ)なく講じるべきである。
 東京都では昨年、重点措置が二度適用され、いずれもその二〜三週間後には緊急事態宣言が発令された。今回も相当の危機感を持って対策に当たらねばなるまい。
 岸田文雄首相は施政方針演説で新型コロナ対策について「最悪の事態を想定して万全の体制を整える」と強調したが、後手と言わざるを得ない対応もあった。
 第一はワクチンの確保である。政府は、希望者への三回目のワクチン接種の日程を前倒しするが、ワクチンの供給見通しがはっきりせず、接種を担う自治体からは、準備が進められない、と困惑する声も聞こえてくる。
 流行の波が繰り返し襲うことは容易に想定された。オミクロン株の欧米での急激な感染拡大を踏まえれば、ワクチン確保の緊急性は早い段階から分かったはずだ。
 政府はワクチン確保に全力を挙げるとともに、供給計画を早急に示す必要がある。
 教育分野でも後手の対応が混乱を招いた。大学入学共通テストを巡り、感染者や濃厚接触者となった受験生の扱いが変更されたのは実施直前になってからだ。
 本試験と追試験を受験できなかった場合は大学の個別試験で、それも受験できなかった場合は書類や面接での合否判断を求めているが、選抜方法が複数に分かれ、受験の公平性に疑問が出ている。
 感染拡大時の試験方法は事前に検討できたはずだ。受験生や教育現場を混乱させた責任を、政府は自覚しなければならない。
 コロナ禍は三年目に入り、飲食業や観光業を中心に事業者は苦境に立たされ、重点措置の再適用で倒産などがさらに増える恐れがある。政府は感染防止のための営業規制と並行して、経営や就労への支援でも先手を打つべきだ。

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