残留孤児テーマの映画「再会の奈良」、2月に銀座で公開 中国人監督が製作 

2022年1月19日 16時00分

「再会の奈良」の一場面。養女を捜す陳さん(右)と孫娘のシャオザー(左)、吉澤(中)の3人

 中国残留孤児をテーマに日中交流を描いた映画「再会の奈良」が、2月4日からシネスイッチ銀座(東京)や伏見ミリオン座(名古屋)など全国で順次公開される。今年9月の日中国交正常化50年を前に、ポンフェイ(鵬飛)監督(39)は「戦争の恨みはいつか消えるが、愛情はいつまでも残ることを感じてほしい」と話している。(新貝憲弘)

◆行方不明の養女を捜しに

 映画は中国に住む陳さん(ウー・イエンシュー)が、孫娘のシャオザー(イン・ズー)がいる奈良にやってきたことから始まる。残留孤児として日本に帰国したが行方不明になった養女を捜しに来た陳さんとシャオザーは、知り合った元警察官の吉澤(國村隼)と養女の足取りを追っていく―というあらすじだ。

ポンフェイ監督=ミモザフィルムズ提供(ミモザフィルムズ提供)

 前作「ライスフラワーの香り」が2018年の「なら国際映画祭」で観客賞を受賞し、奈良を題材とした映画製作の監督に抜てきされたポン監督。「大きなバックグラウンドのある物語を、一般市民の出来事から描き出したい」との思いから、残留孤児をテーマに選んだと説明する。
 中国残留孤児は、1980年代後半から90年代前半のピーク時には年間100~200人が帰国したが、言葉の壁や生活習慣の違いなどで日本での生活に戸惑うケースも多かった。映画ではそうした状況がうかがえる場面が出てくるほか、養女捜しを通して「一つの家族のように変化していく」3人の関係も見どころだ。

◆日中関係悪化する中「温かい気持ちになって」

 ストーリーは、実際に残留孤児問題を取材した中国人記者の書籍を参考にしたという。日本に帰国した養子に会いたいと願いつつ、経済的な事情などでかなえることができなかった「養母らの夢を映画でかなえた」と話す。
 最近の日中関係は、米中対立などの影響もあり、友好ムードからは程遠い状態だ。非営利団体「言論NPO」(東京)と中国国際出版集団が行った2021年の日中共同世論調査では、中国の印象を「良くない」とした日本側回答が5年ぶりに9割を超えた。
 逆風下の映画公開となるが、ポン監督は「中国が嫌いな日本人や、日本が嫌いな中国人はいるが一部分。この映画を見て温かい気持ちになってくれれば」と話している。

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