負けず嫌い女子が高校生ものづくりコンテストの電気工事部門で日本一に 1年生の全国制覇は史上初

2022年1月19日 12時00分

全国大会に出場して電気工事部門の競技に挑む山本さん=向の岡工業高校提供

 高校生が日本一の座を懸けて工業技術や作品の出来栄えを競う「第21回高校生ものづくりコンテスト全国大会」の電気工事部門で、神奈川県立むかいの岡工業高校(川崎市多摩区)電気科1年の山本さきさん(15)が優勝した。全部門通して1年生の全国制覇は史上初。周囲の目を見張らせた技術者の卵は「将来は家をつくってみたい」と夢を膨らませている。 (安田栄治)
 大会は全国工業高等学校長協会主催で、昨年11月、同県内の工業高校などを会場に開催された。
 電気工事部門含め8部門で全国9ブロックの優勝者と、開催県(神奈川県)代表が出場した。

配線工事の練習で使ったパネルの前で、指導した尾島教諭(左)と山本さん=川崎市の向の岡工業高校で

 電気工事部門は、山本さん含め10人が出場。垂直に立てた縦182センチ、横174センチのパネルに施工図などに従って家庭の照明器具などを想定した配線工事を行い、精度と時間を競った。
 制限時間は2時間。電気回路を間違えると一発で失格だ。金属管を工具で曲げたり、ケーブルをゆがみや浮きなく打ち付けたりと女性には負担の大きな作業も多く、1年女子の優勝は誰をもうならせる結果となった。
 「ものづくりに携わりたい」と工業高校へ進学した山本さん。入学当初は工具の名前さえ知らなかったという。それでも5月に大会への出場を決めると、帰宅後に毎日2時間ほどの練習を重ねた。コロナ禍で学校が休校になった時期も「とにかく手だけは動かそう」と練習を怠ることはなかった。

全国大会で優勝した賞状とメダルを持つ山本さん=川崎市の向の岡工業高校で

 指導した電気科担任の尾島雅章教諭(38)は「1年生が出たいと言ってきたので驚いた」と振り返る。それでも、コツコツと努力して基本を身に付けていく山本さんの姿に感心し、1つ1つの技術を丁寧に教えた。押し付けでなく自分で考え、判断力を養う指導に重点を置いたという。
 「これまでの生徒と比べ、作業が丁寧で度胸も据わっている。とにかく負けず嫌い」(尾島教諭)という山本さんは、飛躍的に成長し、県大会で優勝した。
 全国大会は「きれいに仕上げることに重点を置き、減点を減らすことを心がけた」のが奏功したという。当日変更された課題の一部にも冷静に対応し、制限時間の5秒前に完成させた。減点を出場10人中最少の15点に抑えて頂点に立った。
 尾島教諭は「日本一という貴重な経験を財産にして、今後のものづくりに生かしてほしい」と目を細める。今年に連覇が懸かる山本さんは「優勝を狙ってできたわけではないので、技術や判断力をさらに磨いて中身で勝負できるようにしたい」と自身のさらなる飛躍を目指している。

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