地位協定見直しに森友学園問題…立民は「不都合な事実」を追及、岸田首相は逃げの姿勢でゼロ回答 衆院代表質問

2022年1月19日 20時41分
 衆院本会議で19日、各党代表質問が始まった。立憲民主党の泉健太代表らは日米地位協定の改定や、森友学園問題を巡る訴訟対応など、岸田文雄首相が施政方針演説で取り上げなかった「不都合な事実」に切り込んだ。首相は協定見直しを改めて否定し、安倍・菅政権からの「負の遺産」清算にも消極姿勢を示すなどゼロ回答に終始。質問に直接答えない場面も多く、逃げの姿勢が目立った。(井上峻輔、我那覇圭)
 「地位協定では日本の検疫法が適用除外となっている。この部分の改定にどんな不都合があるのか」。泉氏は、新型コロナウイルス「第6波」が在日米軍基地から広がったとして、米軍への検疫が認められない根拠となっている地位協定を問題視した。
 首相は何が不都合かという問いに正面から答えず、「(政府の)申し入れの結果、米国は在日米軍の感染拡大防止措置を発表した」と成果を強調。地元の不安解消などのため、日米で連携を強める意気込みを示すにとどまった。
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設については、軟弱地盤の存在や工事費の膨張を指摘して中止を訴えた泉氏に対し、首相は「安定した護岸の施工は可能」と主張。安全保障面で依存する米側へ配慮するような答弁を繰り返し、立民の指摘は受け入れなかった。
 「負の遺産」を巡っても正面から向き合う姿勢は首相には見られなかった。
 森友問題を巡る損害賠償請求訴訟を終結させた政府対応に関し、遺族の疑問に答える真相究明を求めた質問に対しては「必要に応じて説明していく」と答えたのみ。日本学術会議会員候補の任命拒否問題については、現状が違法状態かどうかを問われても「一連の手続きは終了した」と短く答えた。泉氏の後に質問した立民の小川淳也政調会長から「聞いたのは手続きが終了しているかどうかではない」と批判されたが、見解は示さなかった。
 首相は、自民党が目指す改憲に関しても、立民の質問に答えるのを避けた。
 泉氏は、自民党がまとめた改憲4項目のイメージを念頭に「憲法に自衛隊を書かなければ防衛に不備が生じるのか。緊急事態条項を書かなければ国民の命を守れないのか」と質問。首相はそれに答えず「さまざまな論点や意見があり、積極的な議論が行われることが重要だ」とかわした。
 泉氏は本会議後、記者団に「答弁が抽象的で(議論が)前進しない。答弁をずらして誠意のない回答だ」と批判した。

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