コロナ禍 千葉脚光 都道府県別魅力度ランキング 昨年21位→12位 

2022年1月20日 07時05分

外房の千葉県いすみ市の丹ケ浦で行われたドラマのロケ=県フィルムコミッション提供

 民間調査会社「ブランド総合研究所」(東京都港区)が昨年十月に発表した最新の都道府県別魅力度ランキングで、千葉県は十二位。前年は二十一位で全国で最も順位を上げた。新型コロナウイルス禍でロケの需要が高まり、メディア露出が増えたことが要因とみられるが、その背景には、県の積極的な戦略があった。
 ランキングは例年物議を醸すことで知られ、今回四十四位だった群馬県の山本一太知事は「根拠が不明確で法的措置も検討する」と反発した。そんな中、千葉県は大躍進し、映画「翔(と)んで埼玉」でライバルとして描かれた埼玉県の四十五位にも大きく差をつけた。ブランド総合研究所の田中章雄社長は「休暇と仕事を両立するワーケーションの好適地に加え、テレビや映画、アニメなど露出を通じて若い世代の高評価が順位を押し上げた」と分析した。
 テレビでは千葉県の露出が続く。今年一月八日には、「人生の楽園」と「ごはんジャパン」(ともにテレビ朝日系)、新春特番「はじめてのおつかい」(日本テレビ系)と県内で収録された番組が立て続けに放送された。千葉県フィルムコミッションは「もともとロケが盛んな地だがコロナ禍でさらに増えた」。東京都内のテレビ制作会社の関係者は「遠方ロケが敬遠され、自然や食が豊かで日帰りが可能な千葉の頻度が高まったのでは」と千葉のロケ人気の理由を分析する。

菜の花が咲く沿線をディーゼルカーが走る小湊鉄道は旅番組のロケの名所=千葉県市原市で(同社提供)

 需要の高まりを見逃さず、県は「メディアリレーション」と称されるロケ誘致や情報提供に励んだ。二〇二〇年秋〜二一年春をメディア露出の促進期間と位置づけ、制作者に歩み寄ったプロモーション資料を広告代理店と共同で作成し、テレビ局や制作プロダクション、インターネットメディアなど七百近い関係先に定期配信。「県庁職員が選んだ大切な人に贈りたい千葉県グルメギフト」など、見出しを工夫して番組やニュースの素材としてそのまま取り上げられる企画物も提示した。

メディアへの情報提供の一環で、千葉県出身のお笑い芸人ジャングルポケットの斉藤慎二さん(右)に県マスコットキャラクターのチーバくんが県特産品を贈ったコラボ企画(県提供)

 業界の情報収集にも力を入れた。ある番組がイチゴ特集を企画中と聞き付けると「千葉なら産地が近くスタジオまで持ち込める」と売り込んだ。取り組みを通じて「昼めし旅」(テレビ東京系)や「news every.」(日本テレビ系)などテレビ番組、ネット記事、雑誌で約九百件取り上げられた。
 ロケへの協力も惜しまなかった。県出身の相葉雅紀さんがMCを担当するバラエティー番組「相葉マナブ」(テレビ朝日系)もその一つ。県によると「手しぼりの醤油(しょうゆ)造りを撮影したい」との要望を受け、県が昔ながらの手作りの醤油蔵を探してロケが成立した。

番組での紹介やロケ誘致などを図るため千葉県がメディア関係者に配信したニュースリリース

 引き換えに、県が「番組に紹介した野菜の産地表示のテロップを長く流してほしい」と要望した場合もあった。同番組に携わる制作会社・花組(東京都港区)の松村由衣さん(29)は「地元の協力があると良い収録ができる」と感謝する。
 千葉県の坂学・千葉の魅力発信戦略室長は「順位上昇はうれしい。紹介したロケ先とメディアがつながりを築き、引き続き取り上げてもらえれば」と期待した。

◆観光意欲など89項目を調査

 魅力度ランキングは、国内3万5000人にインターネットでアンケートし、魅力度や認知度、地域のイメージ、観光意欲など89項目を調査。関東勢は東京が前年の4位を守り、神奈川は一つ下げて6位。茨城は2年ぶり最下位に転落した。田中社長は「下位ランクとなった自治体をおとしめる意図はない。逆に注目され、地域の魅力が再確認される契機にもなり得る」と語った。
文・中谷秀樹
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