政府見解でないと強調 老後2000万円必要 試算 

2019年6月14日 02時00分
 政府は十三日、老後資金に関する金融庁金融審議会市場ワーキング・グループ(WG)の報告書に記載された「月に五万円の赤字」との試算は、四月のWG会合で厚生労働省が示した数字だったことを明らかにした。一方で、この赤字額に年月をかけて算出した「三十年で二千万円が必要」との試算は「WG独自の意見」として、政府見解ではないと強調した。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十三日の記者会見で「WGの議論で、厚労省から、家計調査の平均値として、高齢者世帯の収支差額(赤字)が五万五千円と説明したのは事実だ」と指摘。厚労省の吉田一生企業年金・個人年金課長も、野党ヒアリングで「厚労省がよく使っている資料だ。総務省の家計調査でオープンになっている」と説明した。
 報告書を受け取らない意向を示した麻生太郎金融担当相は「今までの政府の政策スタンスと違う」と説明していたが、政府の一機関である厚労省の試算が根拠と分かり、整合性が問われる。立憲民主党の辻元清美国対委員長は党代議士会で「政府のスタンスと違うのは麻生氏だ」と批判した。
 菅氏は会見で、WGの報告書について「三十年で約二千万円の金融資産の取り崩しが必要というのは、WG独自の意見だ」とも強調。老後の生活設計に関し「多様な資産形成ができるよう、さまざまな制度を構築している。個人の生き方は個人が責任を持って行う」と自助の必要性も訴えた。
 野党は十四日の衆院財務金融委員会で、こうした政府の姿勢を追及する方針。 (妹尾聡太)

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