北朝鮮ミサイルに野党尹氏「先制打撃しかない」与党李氏「共存を追求」 韓国大統領選候補、割れる反応

2022年1月20日 09時17分
ミサイル発射に関するニュースを眺める韓国の人々(AP)

ミサイル発射に関するニュースを眺める韓国の人々(AP)

 【ソウル=木下大資】北朝鮮のミサイル発射の頻度が増す中、韓国大統領選の主要候補は対照的な反応を見せている。保守系最大野党の尹錫悦ユンソクヨル前検事総長は北朝鮮への「先制攻撃」に言及するなど強硬姿勢を鮮明にし、革新系与党の李在明イジェミョン京畿道キョンギド知事は金剛山クムガンサン観光の再開など平和共存を目指す姿勢を示す。
 14日に北朝鮮が2発の弾道ミサイルを発射した直後、尹氏はフェイスブックに「主敵は北朝鮮」と投稿した。「主敵」は1990年代に韓国の国防白書で用いられていたが、革新系の盧武鉉ノムヒョン政権で「軍事的脅威」との表現に変わって以降は使われなくなった言葉だ。
 尹氏は11日の記者会見で、北朝鮮が開発を進める極超音速ミサイルに対し「先制打撃しか防ぐ方法はない」と発言。17日の弾道ミサイル発射を受け、改めて「先制打撃能力を確保する」との考えを表明した。
 南北対話の再開を模索する文在寅ムンジェイン政権は、相次ぐミサイル発射にも、北朝鮮が反発する「挑発」という表現を避けるなど抑制的な対応が目立つ。
 文政権の対北政策を引き継ぐ李氏は、北朝鮮のミサイル発射を「挑発だと思う」としながらも、尹氏の先制打撃発言を「戦争の危機を高める危険な発言だ」と批判する。
 李氏は16日、訪問先の江原道カンウォンドで金剛山観光の再開や非武装地帯(DMZ)の観光を推進する公約を発表。「南北どちらにも利益になる実用的政策を通じ、南北共存を追求していく」と述べた。
 金剛山は北朝鮮南東部の景勝地。98年から南北協力事業の一環で韓国からの観光客を受け入れたが、2008年に立ち入り禁止地区で韓国人女性が北朝鮮兵士に射殺される事件が発生し、中断された。

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