<18歳成人 マネー学園>保険編 (2)医療保険制度

2022年1月20日 10時19分

◆自己負担額 3割基本

 まねお(以下、ま) お父さんが健康保険証を忘れて病院に行ったら、1万円も払ったんだって。大きな病気でもないのに、なんでそんなに高いの?
 金田先生(以下、金) 医療費の全額を自分で払ったんだな。普段、みんなが医療機関の窓口で支払う医療費は、本来の医療費の一部。残りは公的な医療保険制度から支払われているんだ。保険証はその制度の利用資格を証明するもの。忘れると資格の確認ができないから、全額を自分で払うことになる。
 ま 僕らが払うのはどのくらいなの?
 金 基本的には医療費の3割だが、年齢や所得によって割合が変わる人もいる。75歳以上は1割、70〜74歳は2割の負担で済むが、働いている現役世代並みの収入がある人は3割。小学校に入る前の子どもは2割だ。お父さんが保険証を持っていれば3000円を払えば良かったことになるな。
 ま 7000円も損したの? 僕のお小遣いより多いじゃん。
 金 まあ、大抵は後ですぐに保険証を持って行けば差額を返してもらえるぞ。
 ま 僕の保険証にはお父さんの会社の名前が書いてあるよ。
 金 医療保険制度には、いくつか種類がある。まず、会社員やその扶養家族らが利用する「健康保険」は、全国健康保険協会(協会けんぽ)や、各企業が設ける健康保険組合が運営する。お父さんは勤務先の健康保険組合に入っているんだろう。一方、自営業の人たちが入る「国民健康保険」は市区町村などが運営主体だ。「後期高齢者医療制度」は75歳以上の人が対象で、都道府県ごとの広域連合が運営している。
 こうした運営主体のことを「保険者」と呼び、保険証を交付したり、加入者から保険料を集めたりしている。そして、患者が医療機関にかかると、自己負担分を除いた残りの医療費を医療機関へ支払うんだ。
 ま 僕が以前、病院に行ったとき、お金はいらなかったよ。何ともなかったからサービスしてくれたのかなあ。
 金 違うっ。子どもの医療費は、医療保険に加えて、自治体が自己負担分を助成してくれる制度が別にあるんだ。対象となる子どもの年齢など、自治体によって条件が異なるが、子育て世帯にとってはとても助かる制度だな。
 ま どれだけ病気やけがをしても安心だね。
 金 甘い! 医療保険も医療費の助成も、みんなから集めた保険料や税金が財源。少子高齢化で現役世代が減って医療費が増える中、財政は厳しくなる一方だ。病気もけがもせずに元気で過ごせるのが一番。健康維持には、適度な運動が欠かせない。よし、先生と一緒に走ってみるか?
 ま 転んでけがをしたら医療費がかかるからやめておくよ。
(河郷丈史、協力・一般社団法人ウーマンライフパートナー)

<ふかぼり>医療費増加 財政厳しく

 日本の医療費は高齢化などの影響で増え続けている。保険の対象となる2019年度の医療費総額は前年度より約1兆円増えて44兆3895億円となり、過去最高を更新。そのうち65歳以上の高齢者の分が全体の6割超を占めた。
 医療保険制度の財政は厳しく、加入者の保険料負担も増加している。高齢者の医療費はかつて自己負担ゼロだったが、現在、75歳以上の大半は1割負担。そのうち一定の所得がある人は10月から2割負担に引き上げられる。
 =次回は2月3日に掲載します

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