英国ジョンソン首相のコロナ規制撤廃は人気取り? 与党重鎮は退陣要求、不信任投票へ動き加速か

2022年1月20日 21時30分
英ロンドンで今月15日、新型コロナウイルス感染犠牲者を赤いハートで描いた「追悼の壁」のそばに落ちているマスク=AP

英ロンドンで今月15日、新型コロナウイルス感染犠牲者を赤いハートで描いた「追悼の壁」のそばに落ちているマスク=AP

 【ロンドン=加藤美喜】ジョンソン英首相は19日、新型コロナウイルス対策の現行規制を27日からイングランドでほぼ解除すると発表した。公共施設でのマスク着用義務、イベント会場などでのワクチン証明提示義務、在宅勤務の推奨などが撤廃される。陽性者の5日間の自己隔離措置は継続する。
 英国の新規感染者数は4日に21万人を超えてから減少傾向に転じ、19日は10万人台に。首相は変異株オミクロン株の波がピークを過ぎたとの認識を示し、6割を超えるブースター接種率の高さを強調。厳しい規制を課さずに「欧州で最も開かれた経済と社会を維持してきた」と、政権のコロナ対応を自賛した。
 一方、英メディアによると、学校や医療現場から規制撤廃は時期尚早との懸念も出ている。首相官邸がコロナ規制期間のパーティー開催疑惑で集中砲火を浴びる中、人気取りを狙ったとの見方もある。
 17日には公共放送BBCの受信料(年間約2万5000円)を今後2年間据え置くと発表。前日には将来の廃止も示唆した。英仏海峡を渡る不法移民や貧困層の新たな対策も発表予定とされ、ガーディアン紙は「首相の保身のためのポピュリスト政策攻撃」と評した。
 首相は都市封鎖中の2020年5月に官邸で開かれたパーティーの出席を認めたが、「仕事の集まりと思った」と釈明。18日には「誰も私に規制違反だと警告しなかった」と責任を転嫁するかのような発言をし、火に油を注いだ。与党内からの圧力も増し、19日には新人議員が離党して野党にくら替えし、重鎮議員が公然と退陣を要求するなど衝撃が広がった。
 一連の疑惑の調査結果は来週にも出るとされ、不信任投票の動きが一気に加速する可能性も出ている。

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