400人が体育館で密集作業 日本原燃社長「話しやすくした」 使用済み核燃料再処理工場の審査難航で

2022年1月21日 06時00分
 原発の使用済み核燃料の再処理を担う日本原燃(青森県六ケ所村)は、原子力規制委員会の審査に関係する全社員ら400人を敷地内の体育館1カ所に集めて作業している。担当者間の連携をしやすくして、難航する審査を乗り切り、9月に再処理工場を完成させたい考え。新型コロナウイルス感染が再拡大する中でも、「3密」リスクが高い職場を見直そうとしない。

◆単純計算で1人4畳半


意見交換する日本原燃の増田尚宏社長(左)と原子力規制委員会の更田豊志委員長=12日、東京都港区で


 「職場環境としては非常に悪いところに皆を押し込めた形だが、一堂に会して話しやすくした」。増田尚宏社長は今月12日にあった規制委との意見交換でこう説明した。
 原燃が体育館を職場にしたのは、再処理工場などの詳細な設備工事計画の審査を前進させるためだ。2020年12月に申請した審査は、規制委からあきれられる対応を続けて停滞しており、社員の集約は昨年12月から始めた。
 体育館の広さは約3000平方メートル。400人が入ると、単純計算で1人当たり4畳半ほどだが、仕切り板が置かれた机がぎっしりと並ぶ。人が行き交う場所はさらに狭い。

◆社員のコロナ感染が判明も…

 ところが、規制委との意見交換の翌日には3カ月ぶりに社員の新型コロナ感染が判明。その後、下請け企業で働く人の感染が相次いで分かり、20日時点で感染者は計11人となった。広報担当者は感染者の作業場所を明かさず、「手指の消毒や定期的な換気など感染防止対策を徹底している」とし、密集作業を見直す考えはないという。
 原燃は日本の原子力政策の柱である「核燃料サイクル」の中核施設を担い、再処理工場の9月完成は最大の目標。1997年の完成予定だった工場は、トラブルなどで25回も完成を延期しており、信頼を失い、後がない。
 これに対し、規制委の更田豊志委員長は19日の記者会見で、原燃の目標を「強烈にアンビシャス(野心的)」と評し「審査が終わる見通しはない」と言い切った。(小野沢健太)

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