男女・企業規模・雇用形態…春闘のカギは3つの格差是正 先進国で低い賃金水準アップへ連合会長「流れつくる」

2022年1月20日 21時30分
 連合の芳野友子会長は20日、来週から本格化する今春闘を前に都内で記者会見し、「格差是正の流れをつくりたい」と強調した。春闘で長らく訴えてきた問題だが、賃金統計をみると、男女、企業規模、雇用形態での差は根深く残る。先進国でも低位の賃金水準を引き上げるには、3つの格差の是正が焦点となる。(山田晃史、渥美龍太)
 2020年の賃金構造基本統計調査によると、1日8時間働く労働者の所定内平均賃金は、女性が月25万1800円と男性に比べ7割ほどの水準にとどまる。芳野氏は初の女性会長として昨年の就任以来、繰り返し是正を訴えている。
 企業規模別では、従業員1000人以上の大企業と比べ、従業員10~99人の小企業は2割ほど少ない27万8000円。立場の弱い小規模企業は、大企業に商品価格の引き上げを求めにくい構造があり、賃上げの原資を得られないからだ。最近は公正取引委員会が適正な価格転嫁を促す動きを強めており、今春闘を是正の好機とみる傘下の中小組合も出ている。
 非正規労働者と正社員の差は最も大きい。非正規は正社員の6割ほどの21万4800円。不合理な待遇差を禁じる「同一労働同一賃金」のルールが昨年4月から本格的に始まり、手当などで改善の動きは一部にあるものの、解消に向けた道のりは険しい。連合は、企業内の最低賃金を、法定の最賃よりも高い1150円以上とするよう労使での協定締結を目指す。
 日本総研の山田久氏は「女性に家事育児の負担が偏って長期間働けず賃金が伸びないなど、いずれの格差も構造的」と指摘。「連合は企業側や政府とも春闘の場で問題意識を共有し、少しでも問題を前に進める取り組みが必要」と話した。
 25日には、主要企業の経営者や産業別労働組合の代表らが参加する「労使フォーラム」が開かれ、春闘が事実上スタートする。

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