<社説>飲食店への支援 街の灯を守ってこそ

2022年1月21日 07時06分
 新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の対象が首都圏や東海三県などに拡大された。自治体は飲食店に時短など営業制限を要請し、多くの飲食店が苦境に立たされる。より公平で効果的な支援策の実施を強く求めたい。
 飲食店支援をめぐっては、十三都県に先駆けて同措置が適用された沖縄県で問題が噴出した。
 同県では感染対策を講じて県の認証を受けた店より、非認証店の方がもらえる協力金が高いというケースが出た。営業できる時間が午後八時までと認証店より一時間短いだけで、協力金が最大二万五千円も上回るケースが制度設計上あり得た。
 この結果、「感染対策をしたのに不公平だ」と認証返上を求める動きが一気に加速した。政府は基準を見直し、認証店に支払う協力金を同じ水準に引き上げた。この措置で混乱は一応収まった。不公平な制度を策定した政府には猛省を求めたい。
 コロナ対策を施すため飲食店は多大な努力を費やしている。自治体の補助金制度を活用しても出費はかさむほか、閉店時間をめぐる客とのトラブルなども絶えない。
 現行の支援策に不備がないかどうか子細に点検する必要もある。とりわけコロナ対策の補助制度は自治体によって違いがある。提出書類が依然多く、「使い勝手が悪い」との声も聞く。政府と自治体が連携して最新の情報を集め、より公平で効果的な制度を全国にめぐらせてほしい。
 飲食店への支援が「手厚すぎる」との意見もある。ただ飲食店は商店街における吸引力の中心だ。仮に一店舗でも閉まれば店周辺の人の流れが変わり、「街の灯(ともしび)」が一気にしぼみかねない。
 さらに飲食店事業は幅広い裾野も持つ。学生アルバイトを含めた非正規労働者雇用の大きな担い手である一方、各店がそれぞれ多様な事業者と取引を展開している。それ故、飲食事業の苦境が経済に与える影響は予想以上に甚大といわざるを得ない。
 飲食店を中心とした街への支援は経済の活気を維持する喫緊の課題だ。政府、自治体の努力はもちろん、信用金庫など地域金融機関の支え抜きには成立しないことも重ねて指摘したい。同時に私たちも店舗が行う持ち帰りなどを活用することで、飲食店を中心とした「街」を支えていきたい。

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