彫りで広がる表現 版画家・川上澄生の企画展 鹿沼市内で4月まで

2022年1月21日 07時45分

「平行線」などが用いられた作品が並ぶ=いずれも鹿沼市で

 鹿沼市睦町の川上澄生美術館で「川上澄生『彫り』というパラダイス」展が開かれている。版画家・川上澄生の彫りの技術に焦点を当てた企画展で、4月3日まで。初期から晩年までの作品68点を展示し、多彩な技法と巧みな人物や文字の表現が織りなす作品の魅力を伝えている。(小川直人)
 川上は「彫り」を重視した版画家とされる。平行線や格子状の「クロスハッチング」を多用し、空や背景などを表現。道具「レンパツ」を用いたより細い平行線や、細い丸刀を使う「点描」といった技法で精密な作品を仕上げた。
 優れた技術は特徴の人物や文字表現に生かされ、木版画と「詩」「物語」が一体となった作品につながる。絵本づくりなどに用いた「木活字」も作った。晩年の版画絵本「アラスカ物語」では大胆で奔放な表現にもチャレンジした。

展示されている「木活字」

 同館の青木理(ただす)館長初プロデュースの企画展で、技法や優れた技術が色濃く出た作品が選ばれている。青木館長は「例えば平行線という単純な技法で、いかに多くの表現ができたかを見てほしい。彫るということを一番大事にしていた版画家だ」と解説する。
 恒例の「版画の年賀状展」が二月六日まで同時開催されている。入館料は一般三百円、高校・大学生二百円、小・中学生百円。月曜休館(三月二十一日は開館)、二月八日、同二十四日、三月二十二日も休館。新型コロナウイルス感染拡大を受け、二十一日から当面の間、入館を栃木県在住者に限るという。

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