東北の漁業者と東京の消費者つなぐ 新拠点づくりに挑戦「魚谷屋」<挑む>

2022年1月23日 06時00分
 「今までの飲食業を超える新たな価値を魚で提供したい」。飲食店運営の魚谷屋(調布市)の魚谷浩代表(42)は2月から、東北地方の漁師と東京の消費者をつなぐ新たな拠点作りに挑戦する。

漁師とともに旗をかかげる魚谷浩さん(右)=福島県浪江町で(本人提供)

◆漁師の広報マンを目指す

 「魚を循環させる取り組みを続けたい」。魚谷さんがそう決意したきっかけは、2011年の東日本大震災。東北でボランティアを続け、宮城県石巻市に移住。復興や地域再生に取り組むうちに「東北の地域資源は漁師の生きざまそのものだ」と気づいた。
 漁師の広報マンになろうと、16年に東京・中野で「宮城漁師酒場 魚谷屋」を開店。「漁師ナイト」を随時開催し、漁師に漁の技術や魚への思いを語ってもらうと、お客が魚への関心と愛着を高めてくれた。「スーパーでは『石巻産』までしか分からないが、実は漁師ごとにカキの味が違う。生きざまが味ににじむ。それを知ってもらいたい」

◆新拠点は2月に開業予定

 店は盛況だったが、コロナ禍で21年春に閉店。それでも漁師が船を出し、人々が魚を食べる流れを止めないよう、YouTubeで「魚谷チャンネル#おうちで魚介を楽しもう」を配信してきた。
 今年2月には東京・調布市内に「海のそうざい サカナノミライ」を開業予定だ。郊外の大型公園から2キロ圏に立地。弁当や魚介バーベキューの具材を届ける公園デリバリーを行う。店内では飲食のほかレンタルキッチン、加工品も用意し、近隣住民や子育て世代、子どもが魚と親しめる場を目指す。「生産者の顔を伝え、子どもたちに魚を残すためにも、海を知ってもらう活動を続けていきたい」(石川智規)

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