岸田首相の核廃絶、発信あっても中身伴わず… 核兵器禁止条約発効1年、ICAN川崎氏「参加決断を」

2022年1月22日 06時00分
 核兵器禁止条約の発効から1年。与野党から条約締結国会議への日本のオブザーバー参加を求める声が上がるが、被爆地・広島選出の岸田文雄首相は慎重姿勢を崩していない。21日の参院本会議でも「まず米国との信頼構築に努める」と述べるにとどめた。首相への評価や核軍縮に向けた日本の役割について、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲氏に聞いた。(聞き手・木谷孝洋)

ICAN国際運営委員の川崎哲さん(2020年7月撮影)

 ―首相の条約に対する姿勢をどうみるか。
 「岸田氏が就任直後から繰り返している『核兵器のない世界を目指す際の出口に当たる重要な条約』との発言は歴史的で、前向きに受け止めている。核保有国や、核兵器に安全保障を依存する国の指導者が条約を評価したのは初めてではないか。安倍、菅両政権は条約に否定的な見解しか示さなかった」
 ―期待できるか。
 「大きな転換点になり得るが、具体的な変化は起きていないことにも留意すべきだ。首相の言葉はいいが、中身はまだ伴っていない。世論調査では核禁条約へのオブザーバー参加を求める人は8割を超え、私たちの調査では国会議員の半数も支持している」
 ―なぜ、日本は参加に消極的なのか。
 「外務省が米国との関係悪化を懸念しているからだ。日本は、核禁条約の意義を認めていない米国の『核の傘』の下にある。だが、米国の核兵器を国内で共有するドイツは昨年、オブザーバー参加を表明した。核兵器に対する国際的な包囲網も強まっている。日本も日米同盟を損なわない形で、締約国会議に参加することは可能だ」
 ―日本ができる貢献は。
 「核禁条約には、核兵器の使用や核実験で被害を受けた人たちへの援助が定められている。広島、長崎への原爆投下や福島の原発事故を経験した日本は、被爆者援護や除染などの技術、知見で貢献できる。被爆者援護の分野であれば、日米同盟には関係しない。オブザーバー参加するかどうかで、核廃絶に向けた首相の本気度が問われる」

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