藍染めで交流 チェコの博物館にマスク 渋谷のネット店代表ら、コロナ禍記録を後世に

2022年1月22日 07時21分

チェコに寄贈された藍染めマスク(民族学ジャーナル提供)

 世界で感染が続く新型コロナウイルス禍を記録しようと、チェコの博物館が近隣諸国などに呼び掛けたマスクの収集に対し、同国に古くからある藍染めを日本に紹介しているネットショップ「ヴィオルカ」(渋谷区)の小川里枝代表らが賛同し、藍染めの計六作品を送った。取り組みはチェコの専門誌に紹介された。小川さんは「多くの国で愛される藍染めを通じ、互いの理解が深まれば」と話す。(市川千晴)
 専門誌は今月発行の「民族学ジャーナル」(同国国立民俗文化研究所刊)。マスク収集を呼び掛けたモラビア博物館のハナ・ドボジャーコバー民族学研究所長が寄稿した。チェコではマスク着用の習慣がなくコロナ禍でマスクが不足。人々は家にある生地でマスクを縫い、医療機関や福祉施設に送り合った。所長は「マスクは助け合った社会のモラルの結晶。次世代の研究者に残したい」と二〇二〇年三月下旬、協力を呼び掛けた。
 所長と親交のある小川さんにも依頼が届いた。「国中でマスクを作るチェコ人の底力に励まされた」と小川さん。日本の藍染めでマスクを作ろうと思った。コロナ禍直前の同年一月に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産であるチェコの藍染め工房に案内していた徳島県の高校に相談。教諭が藍で染めた生地に、無病息災を願う麻の葉の模様を刺し子でマスクにデザインした。

チェコに送ったマスクの試作品を手に経緯を話すヴィオルカの小川代表

 小川さんの知人の群馬県藤岡市の考古学研究者外山政子さんも協力。その紹介で同県桐生市の板野ちえさんや栃木、埼玉両県の染色家らも参加し、同年七月に六枚を送った。
 チェコに国内外から寄せられたマスクは約百点。ウエディングドレスや藍染めの生地を使ったマスクなど多様という。寄贈者の住所や職業、作られた場所の記録化も進められている。所長は「マスクを通してコロナに対する共通する懸念があることや、藍染めが両国で継承されていることが伝わる貴重なコレクションになった」と話した。

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