トランスジェンダーの真也、恋人のユイが歩んだ10年 映画「フタリノセカイ」 高崎できょうから上映

2022年1月22日 08時00分

映画「フタリノセカイ」の一場面(C)2021 フタリノセカイ製作委員会(シネマテークたかさき提供)

 体と心の性が異なる「トランスジェンダー」と、恋人の女性の映画「フタリノセカイ」が22日から高崎市あら町のシネマテークたかさきで、2月12日から前橋市千代田町の前橋シネマハウスで公開される。自身もトランスジェンダーで、前橋市出身の飯塚花笑(かしょう)監督の長編劇場デビュー作。「世界に一つだけの愛を描くことによって、誰かの常識をぶち壊したい」と思いを込めている。(安永陽祐)
 保育園に勤めるユイと、実家の弁当屋を手伝うトランスジェンダーの真也の十年間を描いたラブストーリー。出会ってすぐに恋に落ちた二人は、将来結婚する約束を交わす。だが、ユイは真也が体は女性、心は男性のトランスジェンダーと知る。結婚も子どももできない現実に直面し、別々の道を歩むが、再び出会った二人はある決断をする。
 飯塚監督は高崎経済大付属高の芸術コースを卒業後、東北芸術工科大で映画を学んだ。出生時は女性で男性として生活するトランスジェンダーである自身の経験を基に二〇一〇年に製作した「僕らの未来」が翌年、若手監督の登竜門「ぴあフィルムフェスティバル」で審査員特別賞を受賞し、国内外で高く評価された。大学の卒業製作映画「青し時雨」(一二年)や「海へゆく話」(一六年)とキャリアを重ねてきた。
 作品は一九年に高崎、前橋市を中心に県内で撮影。脚本も担当した飯塚監督は「結婚や子どもを持つことに対する悩みは、トランスジェンダーのカップルに限ったことではない。映画を見た方が自分自身の物語として共感できるように、カップル間で生まれる多種多様な問題を乗り越えて幸せになる過程を描きたいと思った」と語る。
 シネマテークたかさきは二月十一日まで、前橋シネマハウスは三月四日まで。映画の興行収入の一部は、性的少数者などを支援する県内の団体「ハレルワ」などに寄付する。

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