災害の教訓 伝え続ける

2022年1月22日 07時51分
 阪神大震災から二十七年に当たる十七日、本紙は社説に「水洗トイレは使えない」を掲載しました。
 書き出しにあるように「ちょっと声を大にしては言いにくい」けれども「災害時、もし使えないと心底から困るもの」です。これまでの経験を踏まえ「行政はもちろん、各家庭でも、まずは、携帯トイレの備蓄から始めませんか」と呼び掛けました。
 神戸で被災した読者から早速、手紙をいただきました。段ボールなどで簡易トイレを自作した経験がつづられ「当たり前なことがらの大切さ、ありがたさを感じた日々でした」と結ばれていました。
 原発事故で避難した福島県の読者からも「今も避難先の県営住宅のトイレとベランダに水二リットル入りペットボトルを二十本ずつ備蓄しています」などと、備えの大切さを説く貴重な声が届いています。
 携帯トイレの種類や取り扱い方などの情報が知りたい、との意見もありました。
 私たちが暮らしている日本列島は、災害が多発する場所に位置しています。
 近年だけでも阪神、東日本と続いた大震災では多くの人が犠牲となったり、避難生活を強いられたりしましたし、首都直下地震や南海トラフ地震が近く起きる可能性が高いことも指摘されます。
 地震だけでなく、伊勢湾台風などの風水害を記憶している読者も多いでしょう。
 トンガの火山噴火では、日本にも海面上昇が及び、漁船などに被害が出ました。遠くで起きた自然災害だからといって、安心はできません。
 新聞は自然災害そのものをなくすことはできませんが、災害の経験や教訓を取材して皆さんに伝えることで、被害を減らすことはできます。
 今年は東日本大震災から十一年です。切りのいい節目ではありませんが、折に触れて災害の教訓や備えの大切さを伝え、読者の皆さんと共有したい。それも新聞の大切な役割だと考えます。 (と)

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