F35A、飛行再開へ 政府、日米同盟に配慮

2019年6月5日 02時00分
 岩屋毅防衛相は四日、四月に墜落した航空自衛隊三沢基地(青森県)の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの捜索を打ち切り、事故原因を絞り込んだ上で、同基地のF35A十二機の飛行再開を目指す考えを明らかにした。飛行状況を記録したメモリー(記録媒体)が見つからない中での捜索打ち切りには、同機の輸出元である米国に配慮する日本政府の姿勢がにじむ。 (上野実輝彦)
 岩屋氏は同日の記者会見で、行方不明の操縦士の捜索を続ける一方、墜落現場周辺の機体捜索は三日に打ち切ったと明かし「調査は進展している」と強調。「原因をある程度特定し、安全が確保できれば飛行再開したい」と述べた。
 空自の航空事故調査委員会は、F35Aの機体間でデータを共有するシステムや、地上レーダーの記録などから当時の状況を調査している。
 ただ、操縦士からの聞き取りができていない現在、墜落機の航跡が残るメモリーなしで原因を正確に特定するのは極めて困難。防衛省や自衛隊の幹部も事故当初、調査にはメモリーが重要だと繰り返していた。
 防衛省が早期の飛行再開を目指すのは、F35を製造、輸出している米国との同盟関係を損ねないための配慮を示す意味が大きい。日本政府はF35Aを百五機購入する計画。
 実際、岩屋氏が捜索打ち切りと飛行再開への意欲を明らかにしたこの日、来日した米国のシャナハン国防長官代行が安倍晋三首相や岩屋氏と相次いで会談。岩屋氏は冒頭、記者団の前でシャナハン氏に対し、墜落機捜索への米国の協力に謝意を表明してみせた。
 防衛省は二〇一八年六月にも、在日米軍のF15戦闘機が墜落した際に飛行中止を求めず、米軍が二日後に飛行再開するなど、米国の航空機事故に厳しく対応しない姿勢を見せている。

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