認知症予防目標 数値取りやめ 政府、当事者の反発受け

2019年6月4日 02時00分
 政府は三日、認知症対策の新大綱に盛り込む予定だった「予防」に関する初の数値目標を取りやめる方針を固めた。参考値に格下げする。先月公表の素案には目玉として「七十代の発症を十年間で一歳遅らせる」と明記した。しかし認知症の関係団体や与党内から「認知症になった人は努力不足という新たな偏見が生まれる」として反発が相次ぎ、方針転換した。新たに認知症施策に関する予防の定義を付記した。
 政府関係者は「予防の数値目標を掲げることはやめる」と明言した。政府は月内に関係閣僚会議を開催して新大綱を決定する。素案では、七十代の発症を十年間で一歳遅らせると、七十代の認知症の人の割合を約一割減少させることができ、まずは六年間で6%の低下を目指すとしていた。
 数値目標を巡っては、「認知症の人と家族の会」(京都市)などが「数値目標は偏見を助長し、自己責任論に結び付きかねない」として懸念を表明。与党内からは「予防に関する科学的根拠が不十分だ」といった批判が出ていた。
 新大綱は、認知症の人が暮らしやすい社会を目指す「共生」とともに「車の両輪」と位置付けていた「予防」自体は柱として維持。その上で新たに、予防に関する定義を設け「『認知症にかからない』という意味ではなく、『認知症になるのを遅らせる』『認知症になっても進行を緩やかにする』という意味だ」とした。認知症の人や家族に配慮した形だ。

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