大しけの海を320キロ急行、難破した20人を救助 焼津の遠洋マグロ漁船

2022年1月22日 10時02分
 オーストラリア沖で昨年5月、静岡県焼津市の漁船が、難破した外国船の全乗組員20人を救助した。大しけの危険な海で、320㌔の距離を丸1日かけて現場へと急行した。その勇気ある活動をたたえ、海上保安庁は長官感謝状を山崎清漁労長(58)ら乗組員へ贈った。
 「オーストラリア西方でインドネシア籍の漁船が遭難した。周辺海域で操業中の日本漁船に対し、救助協力の連絡を願う」。昨年5月14日午前2時ごろ、海上保安庁運用司令センターが、オーストラリアJRCC(海事救助調整センター)から連絡を受けた。
 同庁によると、捜索救助に関する国際条約を踏まえ、各国間では海域ごとに、海難事故時の救助活動に協力する担当国を決めている。
 同庁から連絡を受けたのは焼津市の船会社の漁船「第15福積丸」。マグロ漁の作業中だったが、中断して現場へ急行した。
 到着したのは15日午前5時ごろ。山崎さんは「海が大しけで、もう駄目かなと思った。周りを見渡し、半分沈没した船にやっと気付いた」。乗組員10人が力を合わせて救命ボートのロープを引くなどして、1~2時間かけ20人全員を救助した。

清水海上保安部の戸田陽一部長(右)から海上保安庁長官感謝状を受け取る山崎清さん=2021年12月17日、静岡県焼津市で

 昨年12月、焼津漁業協同組合(焼津市城之腰)の事務所で、同庁清水海上保安部の戸田陽一部長から感謝状を受け取った山崎さんは「当たり前のことをしただけ」と謙虚に話した。(足達優人)

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