懲戒権見直し来月諮問 子虐待の口実に 法相「喫緊の課題」

2019年5月31日 16時00分
 山下貴司法相は三十一日、必要な範囲で親権者に子どもを戒めることを認めている民法の「懲戒権」の見直しを、六月二十日に開く法制審議会の臨時総会で諮問すると明らかにした。閣議後の記者会見で「児童虐待を巡る状況は非常に深刻で、懲戒権が相変わらず口実にされている重要性を踏まえ法務省内でも検討していた。喫緊の課題であり、充実した調査審議を期待している」と語った。
 無戸籍者の主要因となっている民法の「嫡出推定」の一部規定見直しも諮問する。
 懲戒権の在り方を施行後二年をめどに検討するとした児童虐待防止法と児童福祉法の改正案が二十八日、衆院本会議で全会一致により可決されたことを受け、早急な対応が必要と判断した。
 二〇一一年の民法改正時にも、懲戒権削除を求める声があったが、「相当なしつけができなくなる」などとして見送られ、代わりに「子の利益のため」という前提条件が加えられた。しかし、その後も懲戒権を口実にした虐待が起きているとの指摘が出ていた。
 嫡出推定は女性が婚姻中に妊娠した子は夫の子、離婚後三百日以内に出産した子は元夫の子と推定する規定。女性が夫と別居中、または離婚直後に別の男性との間の子を産むと、戸籍に夫(元夫)の子と記載される。法務省が把握する無戸籍者は今年四月時点で八百二十七人。

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