<ひと ゆめ みらい>思いやりのスポーツ知って 「フレスコボール」国内トップ選手 新城悠也さん(35)=杉並区

2022年1月24日 06時42分

「相手と会話しながらコミュニケーションを楽しむスポーツ」と話す新城さん=杉並区で

 パコーン、パコーン。真っ白な人工砂が敷きつめられたビーチコートにラケットでボールを打つ音が響く。羽根突きのようにも見えるが「フレスコボール」というブラジル発祥のビーチスポーツだ。まだ知名度は低いが、年齢や経験の有無にかかわらず楽しめると、愛好者が増えている。
 フレスコボールは二人一組のペアとなり、その二人のラリーを続けた回数などを他のペアと競う。テニスなどのラケット競技と違い、相手を負かすのではなく、いかに呼吸を合わせてラリーを続けられるかがポイント。「相手が打ちやすいところにボールを返さないといけない。思いやりのスポーツです」
 日本のトップ選手として活躍する一方、競技を知ってもらおうと杉並区の永福体育館の屋外にあるビーチコートで練習会を開く。初心者も参加でき、直接指導する。
 フレスコボールに出会ったのは二〇一七年。会社の後輩から「ゴールデンウイークにスポーツしませんか」と誘われ、詳しい内容も聞かず「いいよ」と答えた。一度練習した後、連れて行かれたのは、お台場海浜公園(港区)で開かれた大会。
 小学校からサッカーを始め、国体にも出場した経験がありスポーツには自信があった。出場したが、そんなに甘くなかった。後輩が優勝し、その試合をみんながかたずをのんで見守った。足を止めて見ている人もいた。「いいなあ」と思うと同時に、うまくなりたいという思いがわいた。
 当時、サッカーの社会人チームの監督兼選手だったが、年齢的に引退も考え、迷っていた。サッカーに見切りをつける何かを探していた。
 「サッカーでは相手の裏をかくことばかり考えていたので、相手をだましたり、負かしたりするのではないフレスコボールは新鮮だったし魅力的。これでやっていこうと思った」。サッカーへの未練はなかった。
 会社に勤めながら、週末は日が暮れるまで練習に打ち込んだ。腕を上げ、大会では何度も表彰台に上るようになった。「ペアを組む相手の特徴を見極めたり、的確にアドバイスができるようになったのが大きい」と振り返る。
 ラケットは必要だが特別な技術は必要ない。ひたすらラケットで相手にボールを返せばいい。「相手のことを考え、一緒にうまくなろうとする気持ちが大切。自然と仲良くなるので、出会いのスポーツともいえます」。昨年一月に結婚した妻美樹さん(31)とは大会で知り合った。
 練習日程は新城さんのツイッター@yuya_shinjouで検索(砂上麻子)
<しんじょう・ゆうや> 1986年、千葉県生まれ。高校時代にサッカー千葉県代表として国体に出場。2017年からフレスコボールを始め、19年にはブラジル選手権男子一般の部で3位に入賞。21年、日本フレスコボール協会年間最優秀ペア賞、年間最少落球ランキング1位を獲得。

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