ウクライナの米国大使館員の家族ら国外退避へ 米国務省が発表 英国大使館も

2022年1月24日 21時57分
21日、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=AP

21日、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=AP

 【ワシントン=吉田通夫、ロンドン=加藤美喜、キシニョフ(モルドバ)=小柳悠志】米英両政府が、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威が続いているとして、首都キエフにある大使館の職員家族らの国外退避を決めた。ロシアがウクライナ国境の軍部隊を撤退させる兆しはなく、緊張が高まっている。
 米国務省は23日、在ウクライナ米大使館の職員家族に国外退避を命じ、常駐の必要性が低い職員の自発的な退避も認めた。ウクライナにとどまる一般の米国民に対しては早急な国外退避を勧告した。
 国務省は「ロシアがウクライナに対して重大な軍事行動を計画しているとの報告がある」と説明。ウクライナ侵攻が起きれば、「大使館による出国支援や領事サービスの提供に深刻な影響が出る」とした。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国務省は既にウクライナへの渡航警戒レベルを最も高い「レベル4(渡航中止)」としていたが、今回の退避勧告により、実質的な危険度をさらに高めた形だ。
 国務省高官は報道陣に「慎重な予防措置であり、ウクライナへの支援を損なうものではない」と強調。ウクライナ軍への弾薬供給など総額2億ドル(約228億円)の軍事支援の第1弾が22日にキエフに届いたことを明らかにした。

◆英大使館は「約半数の職員が帰国」

 英外務省も24日、キエフにある英大使館の一部職員と家族を退避させると発表した。「大使館は閉鎖せず、必要不可欠な業務は続ける」としている。
 英BBC放送はすでに職員の退避が始まったと報じ、当局者の話として「英外交官に対する特定の脅威はないが、約半数の職員が帰国する」と伝えた。
 英外務省は渡航情報で、東部ドネツクとルガンスク両州を除くウクライナ国内の状況はキエフを含めて落ち着いているとしながらも「ロシアの意図が不透明」だとして、必要不可欠の場合を除くウクライナへの渡航中止を勧告した。
 一方、ウクライナ外務省の広報官は24日、大使館の職員家族らへの退避命令について「時期尚早で過剰反応だ。ロシアがウクライナ社会のパニックを望む中では冷静さが求められる」と疑問を呈した。

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