サッカー強豪の藤枝東高で規定違反14年以上 県外生徒巡り、校長「グレーと言われるとグレー」

2022年1月25日 06時00分
 サッカー強豪校の静岡県立藤枝東高校(藤枝市)が、「保護者の県内在住」を入学条件とする県教委の規定に反し、少なくとも14年以上、県外生徒をサッカー部員として受け入れていることが分かった。出願時に転居の意思を示す書類を受理しながら、実際は転居しないことを黙認していた。県外からの部員は学校近くの実質的な寮で生活するが、学校側は管理していない。県教委は事態を問題視し、他校でも同様の事例がないか実態解明に乗り出す。(塚田真裕)

◆県外からの受験に条件「県民のための学校、前提」

 本紙に規定違反を巡る情報提供があった。県教委によると、県内の高校を県外から受験できるのは、保護者と一緒に転居する場合と、隣接県の自宅からの通学(静岡県内の高校の方が近い場合)と、少なくとも2008年度以降の実施要領で規定。水産科がない他県から焼津水産高へ、過疎化対策による川根高校への入学も認められている。
 県教委の担当者は理由を「県費でまかなわれる県立高校は、県民のための学校という前提がある」と説明。各校が特色を生かすために設ける「学校裁量枠」でも、県外からの受験は同様の規定に基づく。

◆校長「家庭の方針もあり強く言えなかった」

 藤枝東高によると、願書の受付時と入学後に、保護者と生徒の住所を確認している。山田淳一郎校長は取材に「入学後に保護者が転居していないことも把握していたが、家庭の方針もあり強く言えなかった」と釈明。毎年10人前後が規定と異なる状態で、黙認する状況が続いていた。
 一方、元はビジネスホテルだった学校近くの寮について、山田校長は「学校では全く管理していない。民間の経営者が運営している認識だ」と説明する。1月現在、サッカー部員約100人のうち、県外出身の25人と県内の遠方の4人の計29人が生活している。

◆寮で事故なら「災害共済給付金」支払われず

 他県では生徒が親元を離れて生活する場合、保証人を付けて学校に届け出る制度があるが、同校にはなかった。学校の管理外の寮で事故が起きた場合、(学校生活の事故・災害への補償となる)「災害共済給付金」は支払われない。

県教委の規定に反して県外生徒を受け入れていた藤枝東高=静岡県藤枝市で


 山田校長は「県外からの入学希望者が大勢おり、県外の生徒のおかげで活性化も図られている。今の制度の中でやれる範囲でやってきた」としつつも「グレーと言われるとグレーな状態。制度を変更した方がいいところもある」と話した。
 県教委の担当者は、保護者と転居していない実態を「実施要領の趣旨に反する」と指摘。実質的な寮となっていることも問題視。経緯を調査するとともに、他校も含めて実態を調べる方針を示した。
▶次ページ:保護者「県教委の規定知らなかった」
前のページ

関連キーワード


おすすめ情報