幕末維新の南画家・田崎草雲 冬の企画展 栃木県重文指定作など23点

2022年1月25日 07時33分

大作「冨嶽図」を解説する大森哲也学芸員(左)

 幕末から明治にかけて活躍した勤皇派の南画家、田崎草雲(そううん)(1815〜98年)の作品約400点を所蔵する足利市緑町2の草雲美術館で、季節に合わせた名作23点を紹介する企画展「冬の草雲 雪」が開かれている。とりわけ冬景色を好んで描いたという草雲の「清新さ」が際立つ名作が並んでいる。(梅村武史)
 目玉作品は、晩年に描いた絹本墨画「冨嶽図」(一八九四年作)。九三年、米国シカゴ世界大博覧会での名誉大賞牌(はい)受賞作と全く同じ構図、色彩の作品。受賞画にカビが生じたため、自身が改めて書き直した一・五メートル四方の大作で県重要文化財(重文)に指定されている。
 同じく県重文の「三白図」(六六年作)はいずれも白いタカ、梅、雪が描かれている。足利藩主の依頼を受けた作品。厳しい冬を耐える眼光鋭いタカは幕末動乱期の動静をうかがう藩主の心中を暗示しているとされる。

厳しい眼光の白いタカを描いた草雲作「三白図」=いずれも足利市で

 その他、文人が雪の中で釣りをする「寒江独釣図」(九四年作、県重文)、中国の険しい桟道の冬景色を描いた「蜀道雪騎図」「雪中蜀道図」など遠い昔の中国に思いをはせた作品も多い。草雲が珍しくトラを描いた「虎の図」も紹介している。
 大森哲也学芸員は「草雲は冬景色を大変好んで描いた。下地の和紙や絹の白をそのまま生かした雪、雲、白梅などの描写は絶妙です」と話す。
 三月二十一日まで。開館時間は午前九時〜午後四時。原則月曜休館。入館料は一般・高校生二百二十円。中学生以下無料。同美術館隣接の庭園には草雲が晩年を過ごした画室「白石山房」があり、無料で見学できる。問い合わせは同館=電0284(21)3808=へ。

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