遅れに遅れる「3回目」ワクチン接種、政府の計画達成難しく 接種率2.1%で先進国最下位

2022年1月26日 06時00分

新型コロナウイルスワクチンと注射器

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が計画通りに進んでいない。政府は今月末までに1469万人に打つ目標を立てている。だが25日公表時点で接種済みは約263万人にとどまっており、達成は難しくなってきた。2回目接種からの間隔を巡る政府方針が、新しい変異株「オミクロン株」の急拡大で一変し、自治体の準備が追いつかないためとみられる。(柚木まり)

◆岸田首相「まさにこれからだ」

 3回目接種を巡っては、25日の衆院予算委員会で、立憲民主党の山井和則氏が1日当たりの接種回数について、昨夏の「第5波」のピーク時の1割以下だと、政府の対応の遅れを批判した。
 岸田文雄首相は「1、2回目のスタートが遅れたため、3回目は間隔を空けて行わなければいけない」ことが理由と説明。総務省などの調査で、全国の市区町村の8割超が2月末までに高齢者への接種を終えられる見込みだと回答したことを挙げ「本格化するのはまさにこれからだ」と理解を求めた。
 政府の計画では、3回目接種が始まった昨年12月に876万人、今月が593万人、その後は毎月1000万~2000万人台で接種を進めることになっている。だが現時点で打ち終えた約263万人は、今月末までの計画数の2割に満たない。全人口でみた接種率は2.1%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位だ。

◆政府の急な前倒し要請に「厳しい」と自治体の声

 政府は当初、3回目接種の間隔について「原則8カ月以上」としていた。専門家や与党からは、間隔を早めるため、薬事承認上で最短の6カ月を検討するよう求める声も出ていたが、政府はワクチンの安定供給ができない恐れや、打ち手の確保が間に合わないなどの懸念から、しばらく方針を変えなかった。
 結局、想定を超える勢いでオミクロン株の流行が進んだことなどで、政府は2度にわたり方針を変更。間隔は、医療従事者と65歳以上の高齢者(計3800万人)が6カ月、12~64歳の「一般」と職域接種(計6300万人)は7カ月に短縮した。可能な自治体には、さらなる前倒しを求めている。
 急な方針転換を受け、埼玉県の担当者は本紙の取材に「最初から全ての対象者を6カ月間隔と決めてくれれば準備もできたが、2度の前倒しに対応するのは厳しい」と漏らした。

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