「違反するごとに学習した」2017年以降12回摘発…無免許運転の木下元都議、起訴内容認める 検察が懲役10月求刑

2022年1月25日 21時44分

元東京都議の木下富美子被告

 無免許運転を繰り返したとして、道路交通法違反の罪に問われた元東京都議の木下富美子被告(55)の初公判が25日、東京地裁(平出喜一裁判官)で開かれ、木下被告は起訴内容を認めた。検察側は「法令順守が求められる都議の立場で常習的に無免許運転を繰り返し、極めて悪質」として懲役10月を求刑し、即日結審した。判決は来月15日。
 検察側は冒頭陳述で、木下被告は昨年4月に免許停止処分を受けたが、7月に板橋区の交差点で当て逃げ事故を起こすまで、街頭演説などのために原付き自転車や乗用車の運転を繰り返したと主張した。
 木下被告は被告人質問で、ポスターなどの資材運びに車が必要だったと述べ、「再選のかかった都議選のプレッシャーで、まともな判断ができる状況ではなかった」と語った。弁護側は最終弁論で「都議を辞職した」などとして寛大な判決を求めた。
 木下被告は昨年7月、地域政党「都民ファーストの会」から出馬して再選。その後、都議選期間中の当て逃げ事故が発覚し、11月に議員辞職した。
 起訴状によると、木下被告は免停中だった昨年5~7月に7回、都内の道路を無免許で運転したとされる。東京地検は、当て逃げをしたとする自動車運転処罰法違反(過失傷害)、道交法違反(事故不申告)の両容疑は不起訴とした。

◆「法規を理解していなかった」

 黒のジャケットに緑のスカート姿で出廷した木下被告。被告人質問では「(無免許運転の)罪の大きさを正しく認識していなかった」と、終始声を震わせながら後悔の念を語った。
 2017年に都議に選出されて以降、政治活動に原付き自転車や乗用車を使うようになった木下氏。それまでペーパードライバーで「交通法規をきちんと理解していなかった」と振り返った。検察官に、免許停止のきっかけとなる昨年2月のスマホのながら運転について問われると「私はスマホを触っている認識はなかったが、警察官が目撃したと主張するので仕方なく認めた」と不服を唱えた。
 17年以降、違反は計12回に上った。「違反するごとに学習した」と述べる木下氏に、裁判官が「交通ルールも知らずに普通、運転はしないでしょ」と叱責しっせきする場面もあった。

◆「議員として結果出せば…」

 交通事故を巡って都議会は2度、辞職勧告決議をしたが、木下氏は昨年11月まで辞職を否定し、「居座り」と批判された。辞職が遅れたことに「議員の進退の決定は民主主義の根幹なので慎重に検討した。議員として結果を出せば、自分を批判している人も納得してもらえると望みを持っていた」と語った。
 事件が世間の注目を浴びたことに「議員の立場で順法意識が低かったのだと思う」と供述。「警察や検察の聴取を受けるにつれ、罪の大きさを正しく認識するに至った。本当に反省している」と涙ぐんだ。(小沢慧一)

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