【動画】伊藤詩織さん「不同意性交が法で裁かれる世がくるのを信じている」 二審勝訴で会見

2022年1月25日 22時10分

高裁判決を受け、記者会見する伊藤詩織さん

 元TBS記者山口敬之氏(55)から性暴力を受けたとして損害賠償を求めた訴訟で、二審でも勝訴したジャーナリスト伊藤詩織さん(32)さんは25日、都内で会見し「検察審査会で不起訴不当を訴えて5年。性被害を語る風潮は珍しいとされたが、『#MeToo』運動が始まり、大きな流れを感じた。不同意の性交が、法で裁かれる世がくるのを信じている」と、性被害者を取り巻く環境の変化に期待を寄せた。

◆刑法改正「もう時は来ている」

 会見の冒頭、伊藤さんは「20代後半から30代はこの裁判に向き合いきりだった」としながらも「後悔はない。私が信じるジャーナリズムの希望、かき消されたり、届かなかったり、繰り返される何かを変えたいと思い、やってきた。誹謗中傷もあったが、友人や弁護士など、助けてくれる人がいたのでここまでこれた」と支援者へ謝意を示した。
 法制審議会で議論が続く性犯罪の刑法改正には「日本で性暴力やレイプを証明するには、被害者が著しい暴行や脅迫を立証しないといけない」と問題点を指摘。「海外では、不同意が(性犯罪を構成する)基礎なのに日本は変わってない。(改正に)時間がかかるとされるが、もう時は来ている」と不同意性交罪の早期創設を繰り返し訴えた。

◆「泣き寝入りしない」社会に第一歩

 会見に同席した角田由紀子弁護士は、日本の性教育の遅れを指摘。「同意なしの性行為が普通にできる社会、国際的な基準にあった性教育をすべきだが、日本ではやっていない。日本社会の現状を見直す契機にすべきだ」と述べた。
 5年前から担当してきた西広陽子弁護士は判決に「まっとうな常識に従った説得力のある判決」と意義を強調。「詩織さんは大変な思いをして性被害を公表した。泣き寝入りしない、冷めたシステムをなんとかしてほしい、と思って訴えた。判決はそれに答えた第一歩だ」と評価した。

◆「誰のための警察、メディア」自覚訴え

 伊藤さんが、検察審査会で不起訴不当を訴えて5年。伊藤さんを被害者とする準強姦罪の逮捕状の執行を見送る指示を出した当時の警視庁刑事部長の中村格氏は、現在、警察庁長官を務めている。
 中村氏に対し伊藤さんは「なぜ、逮捕とりやめたのか。当事者として聞く権利がある。裁判官が出した逮捕状が、果たして1人の判断で執行されないようなことがあるのか。(警察庁からは)まだ答えがない」と訴えた。
 さらに伊藤さんは「(当初)メディアで事件の後追いが慎重で、報じられてなかった。権力との関係の中で構造上の問題をどう取り上げるか。メディアは疑問をもたないといけない。ジャーナリズムに入りたいと思っていた直後に事件に遭った。日本社会の中で警察やメディアは、誰のためにやっているのかを考えてほしい」と話した。(望月衣塑子)

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