<山崎まゆみのバリアフリーで行こう>新潟・松之山温泉 ゆったり親孝行の母娘旅

2022年1月26日 07時33分

母と訪れたひなの宿ちとせ=いずれも新潟県十日町市で

 親孝行の旅はいつでもできるようで、案外その機会は限られています。「行きたいなら、すぐに!」が鉄則です。
 かくいう私も、心の準備がないまま昨年父を見送ったばかりですので、コロナ感染状況が緩めば、母を温泉へと誘います。新春には新潟・松之山温泉に向かいました。
 母は特に大きな病気もなく足腰も弱っていませんが、父を亡くしたばかりでふさぎ込みがちです。

山ぼうしの内風呂には車いすを横付けできる

 「ひなの宿ちとせ」は全館畳敷きで基本的にフラット。源泉が引かれているユニバーサルデザインの客室「山ぼうし」を予約しました。大浴場に行かずとも気軽に温泉に入ることができる環境に母はうれしそう。部屋には段差がないので、つまずく心配もありません。
 夕食も、棚田米を使った「棚田鍋」は胃腸に優しく、新潟の銘柄豚「妻有ポーク」を熟成させた「湯治豚」はとても軟らかく、母もうれしそうに頬張りました。 
 夕食後に雪見風呂が楽しめる露天風呂「月見の湯」に行くと、年配の三姉妹と一緒になりました。「お嬢さんと温泉に来るなんて、いいわね」と母は話しかけられ、会話も弾みます。

畳敷きの玄関には車いすが用意されている

 「ちとせ」にはユニバーサルデザインの客室が3室あり、館内用の車いすで利用できます。また「貸切風呂」も2つあるので、足腰が弱った高齢の親とでも一緒に温泉に入りやすい環境です。
 湯上がりに、母が「あったまる温泉だね〜」と、ほぐれた表情を浮かべた松之山のお湯は化石海水。1000万年以上前の海水が地中に閉じ込められ、マグマの熱で温められ、温泉として湧き出したお湯は塩っ辛い。体の深部にまで熱がぐんと入る感覚です。
 親孝行の温泉旅では、たくさんの写真を撮りました。食事中や入浴後などに母がいい笑顔を見せてくれるのです。一緒に過ごすひとときはかけがえのない思い出になります。 (温泉エッセイスト)
<メモ> ひなの宿ちとせ 新潟県十日町市松之山湯本49の1 (電)025・596・2525。ユニバーサルデザイン客室1泊2食付き2万7500円〜

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