<社説>値上げ相次ぐ 暮らしの防衛最優先に

2022年1月26日 07時54分
 政府がガソリン価格の急騰抑制策を初めて発動する。ガソリンに限らず生活関連品を中心に値上げは広範囲に急拡大している。官民一体で暮らしを守る態勢を強化する必要がある。
 ガソリン一リットル当たりの全国平均小売価格は十三年四カ月ぶりに百七十円を超え、抑制策の発動基準を突破した。このため元売り業者に一リットル当たり最大五円を補助する対策を二十七日から実施する。
 財源は二〇二一年度補正予算に計上した八百億円を活用。灯油、重油、軽油も対象で物価に影響の強い燃油全般をめぐる価格抑制策だ。政府の市場介入への懸念はあるが、暮らしの守りを考慮すればやむを得ない措置だろう。
 ただ実際の価格は小売りが決める。対策が反映されているか細かいチェックは欠かせない。
 今後、ウクライナ情勢次第で原油市場はさらに高騰する恐れがある。補助が長引けば自由な市場を歪(ゆが)めかねない。価格が三カ月連続で百六十円を上回った際に発動されるトリガー条項の凍結解除も視野に入れるべきだ。
 この条項はガソリン税の課税を一時的に引き下げるもので、政府は値下げを見込んだ買い控えが起きかねないとして消極的だ。ただ需要が高まる中でその可能性は低下しているのではないか。発動に向け法改正を準備してほしい。
 国内物価は昨年来、値上げが相次いでいる。食料品全般や電気やガスなど多岐にわたる。昨年十二月の全国消費者物価指数も四カ月連続で上昇した=グラフ。
 新型コロナ関連倒産は起き続けており賃金上昇の気配もない。生活困窮世帯は増えている。
 物価上昇は、欧米や中国での消費増大を背景とした物流の逼迫(ひっぱく)や原油価格高騰、円安傾向などが複合的に作用して起きている。金融政策などマクロ的な対策で早期に抑制するのは難しい。
 政府は国民の生活実態を常に把握しながら支援策に知恵を絞るべきだ。同時に企業にも雇用や賃上げにより積極的に生活防衛に努めるよう強く求めたい。 

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