共通テストの問題がアプリで外部流出の疑い 「解いてほしい」 試験中に東大生に送信、警視庁が捜査

2022年1月26日 21時51分

大学入学共通テスト2日目の日程に臨む受験生たち=16日、東京都内で


 15日に実施された大学入学共通テストの「世界史B」の問題が、試験時間中に外部へ流出していた疑いがあることが、関係者への取材で分かった。高校2年の女子生徒を名乗る人物から問題を撮影した画像を受け取った東京大の男子学生2人が、インターネット通話アプリ「スカイプ」を通じて解答を返信していた。大学入試センターから相談を受けた警視庁が偽計業務妨害容疑で捜査している。
 関係者によると、東大生2人は家庭教師紹介サイトで知り合った女子生徒を名乗る人物から「問題を解いてほしい」と依頼された。共通テストの試験中に複数回にわたり画像で送られてきた問題を解き、スカイプで返信した。
 同日午後の現代文などの問題も解くように依頼されたが、不審に思って問いただすと連絡が途絶えたという。その後、共通テストで出題された問題であることに気が付き、センターに連絡したとみられる。
 家庭教師紹介サイトを運営する企業(東京)の社長によると、昨年12月、高校2年の女子生徒を名乗る人物から「来年の大学受験に向けて先生の実力を試したい」というメッセージが、複数の大学生に送られていた。問題が流出した疑いについて、社長は「想定していなかったケースで困惑している」と話した。
 共通テストは試験中にスマートフォンなどの電子機器を使用すれば不正行為として失格となり、会場内では電源を切ってかばんにしまうことが求められる。問題用紙は試験終了まで持ち帰ることができず、試験中に途中退席する場合は会場に置いていかなければならない。
 大学入試センターは「現在、事実関係を確認している。警視庁に相談しており、捜査内容にかかわるため詳細を明らかにするのは差し控える」としている。
 世界史Bを含む「地理歴史、公民」の教科は15日午前9時半〜11時40分に行われた。

◆複数の試験監督が監視 どうやって撮影、送信?

 大学入学共通テストの問題が、試験時間中に外部へ流出した疑いが出ていることに対し、大学関係者は衝撃を受けている。
 問題用紙の画像は、試験時間中に撮影、送信されたとみられている。大学入試センター試験時代から試験監督を複数回経験したある国立大の教員は「監督は厳重に行っており、このような行為はほぼ不可能だと思っていた」と驚く。
 共通テストの会場は広さにもよるが、複数の試験監督が常に目を配っている。静まり返った会場内では、電子機器の操作といった不審な動きは「すぐに気が付く」という。
 今年の共通テストでは、15日に三重県内の会場で1人の受験生がスマートフォンを太ももの間に隠していたのが分かり、失格になった。
 一方で、スマホなど電子機器の会場内への持ち込みは禁じていない。文部科学省幹部は「会場で預かるのは、どう管理すればよいかという問題もあり現実的ではない」と指摘する。会場の電波を遮断するのも事実上不可能だ。
 受験生は不信感を募らせる。共通テストを受験した都内の女子高校生(18)は「会場では試験監督が受験生のことを凝視し、黒板すら見られない雰囲気だったので、試験中に写真を撮って送ることが可能なのか疑問。その人がどこかの大学に合格したら理不尽過ぎるので、早急に特定してほしい」と強調していた。(小松田健一)

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