ウクライナ侵攻したら、プーチン氏個人への制裁も辞さず バイデン大統領が異例の警告

2022年1月26日 18時18分
ウクライナ情勢を協議するバイデン米大統領(中央)=22日、ワシントン近郊・キャンプデービッドで(ホワイトハウス提供・AP)

ウクライナ情勢を協議するバイデン米大統領(中央)=22日、ワシントン近郊・キャンプデービッドで(ホワイトハウス提供・AP)

 【ワシントン=吉田通夫】ロシアがウクライナ国境に10万人規模の軍部隊を集結させている問題で、バイデン米大統領は25日、ロシアが侵攻に踏み切れば、プーチン大統領自身への制裁を検討する考えを示した。欧州の安全保障を巡る危機感を背景に、国家元首に対する異例の制裁に踏み切る構え。政府高官はロシアへの技術輸出禁止など、検討中の経済制裁の一端も明らかにしてけん制した。
 バイデン氏は首都ワシントンの訪問先で報道陣に「プーチン氏個人に制裁を科す考えはあるか」と問われ、「そうなるかもしれない」と答えた。トランプ前政権を除く歴代政権は、国家間の関係を維持する観点から国家元首の制裁を避けてきた。しかし、バイデン氏は「ロシアが進軍すれば第二次世界大戦以降で最大の侵攻になる。世界を変える」と強い危機感を示した。
 トランプ前政権は2017年に人権侵害などを理由にベネズエラのマドゥロ大統領の米国内資産を凍結。19年には、米国の無人偵察機撃墜を受け、イランの最高指導者ハメネイ師に対し資産凍結や米国の金融システムを通じた広範な取引を禁じたことがある。
 制裁の一例として米政府高官は25日、欧州など友好国と取り組む製品の輸出禁止を挙げ、防衛や航空宇宙産業向けなど「ロシアが必要とし、他国では簡単に代替できない製品」の供給を停止するとした。米国で組み立てた完成品だけでなく、米国の設計で国外生産された製品も対象。ロシアは中国から調達する可能性があるが、高官は「主要な技術基盤は欧米に由来する」と効果に自信を見せた。
 さらに高官は、ロシアへの制裁措置は段階的方式ではなく「はしごのトップで始め、そこにとどまる」と強調した。
 また、ロシアが欧州各国への天然ガスの供給を停止した場合に備え、各国が別の国・地域から調達できるよう調整を始めたと明かした。ロシア政府は歳入の半分を天然ガスなどの輸出に頼っているとし、欧州が調達先を切り替えれば「ロシアは収入がなくなる」と語った。

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