アフリカ各国で「甲子園大会」を開こう! 元JICA職員の夢、野球振興プロジェクト発進

2022年1月26日 17時00分

生徒に野球のスライディングを教える友成晋也さん(左下)=2014年、タンザニア・ダルエスサラームで(本人提供)

 アフリカ各国で球児による「甲子園大会」を―。そんな思いで野球道具の提供や指導者の養成を進めるプロジェクトが、昨年12月に始まった。中心となるのは、一般財団法人「アフリカ野球・ソフト振興機構」(東京都新宿区)代表理事の友成晋也さん(57)。「野球を通じてアフリカの若者を育てたい」と日本の高校野球をモデルにした人材教育に力を入れる。(山内晴信)

友成晋也さん=本人提供

◆五輪目指し代表チーム率いたガーナ、約10年後に再訪し

 友成さんは元国際協力機構(JICA)職員。大学までのプレー経験を生かし、赴任先で休日に野球を教えた。ガーナでシドニー五輪を目指す代表チームの監督を務め、タンザニア、南スーダンでは主に日本の中高生に当たる年代を指導。本来の業務ではないボランティア活動だったが、若者の成長が励みになった。
 転機は2011年。離任して約10年たったガーナを再訪し、現地の学校を回る機会があった。驚いたことに、校長たちは「野球をやっている子は、みんな学業の成績が上がった」と口をそろえた。グラウンドで規律や礼儀を学んだ生徒は、教室でも授業に耳を傾け、リーダーシップを発揮するようになったという。

◆「日本の球児と同じ、目標になる大会必要」

 12年に赴任したタンザニアでは早速、この成果を中学・高校に当たる学校でPRした。各校に野球チームができ、2年後には小規模ながら「タンザニア甲子園大会」を開催。敗れて涙を流す生徒にもらい泣きしながら「日本の甲子園と同じだ。こういう生徒の目標になる大会が必要なんだ」と確信を深めた。

昨年、タンザニア甲子園大会の決勝でプレーする選手=タンザニア・ダルエスサラームで(アフリカ野球・ソフト振興機構提供)

 今回のプロジェクトは、アフリカの55の国と地域全てで、野球を通じて社会の規範になる人物をつくり、努力の成果を発揮する場として高校生年代の「甲子園大会」を開くことが目標。そのために各国で指導者にノウハウを伝えることにした。2日間の日程で「打席に順番に入るのは、みんなに平等に、公平にチャンスを与えるため」といった55の理念を説く。早くもケニア、ナイジェリアなど4カ国から講習の依頼があり、友成さんが訪ねる予定だ。

◆野球通じた人材育成、日本ともつながって

 最初の大会から10年近くたつタンザニアでは今年、当時の球児による社会人リーグが発足する。チーム名の1つは「ドラゴンズ」。JICA時代に名古屋での勤務経験もある友成さんは「野球を通じて育った人が日本とつながって、未来をつくってほしい。その手助けができれば」と活動の広がりに期待を寄せる。
 問い合わせ、寄付の申し込みは「アフリカ55甲子園プロジェクト」で検索。

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