<コロナ下の大学生日記>(17)良い連鎖を作りたい 吉沢春陽(よしざわ・はるひ)さん

2022年1月27日 07時22分

かわさき芽吹塾で勉強を教える吉沢さん=今月、高津区で

 想像していた楽しい大学生活とは全く違う毎日だった。
 大学に入学した二〇二〇年四月、新型コロナウイルスの影響で入学式は中止となり、すべての授業がオンラインになった。すぐに大学に行けるようになるだろうと思っていたが、いつまでも対面授業は始まらない。結局、初年度の授業は一度も学校に行くことなく終わっている。
 大学一年の秋、コロナ下で何もできていない自分がすごく嫌で、何か行動しようと考え始めた。思い浮かんだのは、受験勉強を支えてくれた予備校の先生たちの励ましと気遣い。困ったときにたくさんの方に支えられて生きてきたので、これからは自分が行動し、誰かの手助けをしたいと思った。
 コロナの影響で収入が減った家庭が増え、その家庭の子どもたちはより一層塾に通うことがむずかしくなっている。「経済格差が教育格差に繋(つな)がっている現状を変えたい。有料の塾に通えない子どもたちに学習支援をしたい」と考え、高校時代の同級生にも声をかけた。賛同してくれた友人たちと準備を始め、二一年五月に「かわさき芽吹塾」という学習支援団体を立ち上げた。
 高津区で開く無料学習塾で、中学生と高校生を対象に大学生のボランティア講師が学習指導や夢へのサポートをしている。授業は、毎週土曜日の夜に行っていて、最初は生徒一人からスタートした。現在は、生徒二十七人と講師二十五人で活動している。学習支援の他にイベントなどを開催し、子どもたちの居場所としての役割も大切にしている。
 この塾を通じて、困っている人に手を差し伸べることが「良いこと、恥ずかしいこと」ではなく、「あたりまえなこと」となる社会が実現してほしい。貧困の連鎖のような悪い連鎖ではなく、今通っている子どもたちが大人になった時に、困っている人のために行動できるような良い連鎖を作りたいと強く願う。(かわさき芽吹塾代表、中央大総合政策学部二年・吉沢春陽)
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 「コロナ下の大学生日記」の執筆陣に、かわさき芽吹塾の学生たちも加わります。川崎から大学生たちが、それぞれの「今」を伝えます。

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