<新型コロナ>80年ぶりに復活、疫病よけお守り札 明治から伝わる版木で印刷 柏の龍泉院が28日に配布

2022年1月27日 07時32分

版木と刷られた疫病よけお守り=いずれも柏市で

 曹洞宗の古刹(こさつ)、柏市の龍泉院(明石直之住職)は、同寺に明治時代から伝わる版木を使って疫病よけお守り札を印刷した。前住職で仏教学者の椎名宏雄(こうゆう)さん(87)は「この版木で刷ったお守りは見たことがない」と話しており、お守りの復活は少なくとも80年ぶり。コロナ禍が続く中、「少しでも心が安らげば」と28日の初不動で参拝者らに配布する。(牧田幸夫)
 「湯尾(ゆのお)峠茶屋孫嫡子」と刻まれた版木は縦二十四センチ、横三センチ。湯尾峠(福井県南越前町)は天然痘よけに御利益があるとされる孫嫡子信仰が誕生した地で、お守り札は約千年前、峠の茶屋で疱瘡(ほうそう)神と陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明が論争した末に生まれたとされる。四軒の茶屋が長くお守り札を配布していた。

お守りを刷る河本さん(中)と杉浦さん(右)。左は椎名さん

 椎名さんによると、一九三五年に亡くなった祖父大由(だいゆう)さんは、曹洞宗の大本山・永平寺(福井県永平寺町)で二十代から修行僧相手に講義をしており、明治時代のころに現地から持ち帰ったお守り札を元に版木を作り、刷って参拝者らに配布していたとみられる。
 椎名さんが講話の中で、版木の話をしたところ、お守り札の復活を望む声が上がった。龍泉院で座禅を組む参禅会会員の版画家河本健治さん(73)と同会員の杉浦上太郎さん(78)がお札を刷る作業と手伝いを買って出た。短冊状の奉書紙に一枚一枚丁寧に百二十枚を刷り上げた。
 椎名さんは「コロナで大変だと思うが、お守りがあることで精神的に休まるのであれば、それに越したことはない」と話している。

関連キーワード


おすすめ情報

千葉の新着

記事一覧