<プロに聞く くらしとお金の相談室>教育資金 どう積み立てる?

2022年1月27日 10時05分
<Q> 小学校入学前の子どもがいます。将来に備えて、教育資金をためようと考えていますが、目標額をどう決めたらいいのか分かりません。また、学資保険や投資による運用など、積み立てる方法は何を選ぶべきでしょうか。

◆目標額の目安まず設定 ファイナンシャルプランナー(FP)・広江淳哉さん

<A> 子ども1人に必要な教育費の目安はグラフの通りです。学校の授業料などの学費のほか、塾代や課外活動費も含みます。公立か私立かで差がありますが、多くの場合は大学がピーク。小中高校までは公立の場合、年間30万〜50万円ですが、大学では、国立で自宅通学の場合でも年間100万円ほど必要です。教育資金の積み立ては早いうちから始め、中学卒業までに、高校や大学で必要なお金をためられるといいでしょう。
 目標額を決める際は、(1)大学や高校が公立か私立か(2)大学は自宅通学か1人暮らしか(3)世帯主の退職時に子どもが何歳か−の3点から考えましょう。(1)、(2)は、子どもが幼い頃は分からないかもしれませんが、目安は把握できます。例えば、「国立大で1人暮らし」と「私立大で自宅通学」では、いずれもかかる費用は年間170万円ほどで、あまり差がありません。「国公立なら1人暮らしもOK、私立なら自宅から」などと決めて、目標額を定めるのも手です。
 (3)について、退職後に子どもが大学に通う場合、現役のうちに全額用意する必要があるかもしれません。退職金は老後の生活資金でもあるので、どれくらい教育資金に回せるかも検討してください。
 目標額を決めたら、積み立ての方法を選びます。選択肢は主に(1)預貯金(2)保険(3)投資−の三つです。
 まず考えるポイントは、保障をつけるかどうか。親に万一のことがあっても、教育資金を用意できるようにする方法としては、学資保険が挙げられます。毎月保険料を支払い、「子どもが18歳になったとき」など、加入時に設定したタイミングで保険金を受け取る仕組みです。親が亡くなった場合は、その後の保険料の支払いが免除され、子どもは満期に保険金が受け取れます。ただ、途中で解約すると、支払った金額より、受け取る金額が少なくなる可能性もあります。満期前にまとまった金額が必要になっても、引き出しにくいかもしれません。
 既に生命保険などに入っていて、保障は十分という場合、預貯金か投資が選択肢になります。ただ現状、銀行預金の金利はほぼゼロで、お金が増えることは期待できません。インフレ(物価上昇)で預貯金の価値が目減りするリスクもあります。
 一方で、投資では運用成績によってはお金を増やせます。例えば、「つみたてNISA」は年間最大40万円を非課税で最長20年間、投資信託で運用できます。ただし、あくまでも投資なので、元本割れのリスクはあります。
 投資の経験がないなど心配な人は、預貯金や保険と組み合わせるのも一つの方法。例えば、月3万円を積み立てるなら、預貯金と投資で半分ずつ、などとする。目標額や自分の年齢を加味した上で考えることが大事です。

<詳しく!>奨学金やローン利用も

 総務省の小売物価統計調査によると、東京都内にある大学の授業料は2000〜20年の間に、国立大(文系)で約1.16倍、私立大(同)で約1.24倍に増えた。今後も学費は上昇する可能性がある。
 教育資金が足りなくなった場合、奨学金を利用する方法もある。日本学生支援機構の20年度の調査では、大学生の49.6%が何らかの奨学金を受給している。
 同機構の奨学金は、子ども自身が大学卒業後に返済する「貸与型」と、返済不要の「給付型」がある。さらに、貸与型は利子の有無によって2種類に分かれ、有利子タイプの方が所得や学力の利用条件が緩い。
 ただ、奨学金が振り込まれるのは入学後。入学前の準備資金が必要なときなどには、教育ローンが助けになる。日本政策金融公庫が取り扱う国のローンと、銀行など民間のローンがあり、いずれも親が借りて親が返済する。 (熊崎未奈)
<ひろえ・じゅんや> 1974年、大阪府生まれ。ひろえFP社労士事務所(名古屋市中村区)代表。教育費や住宅費、老後資金などの相談対応のほか、セミナーやユーチューブでも情報を発信している。

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