ワクチン3回目接種の効果どのくらい?オミクロン株に効く? 抗体64倍の研究結果も 期間は限定的<新型コロナ>

2022年1月29日 06時00分
 政府が新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を急いでいる。オミクロン株は感染力が強く、2回接種をした人の感染も相次いでいるためだ。3回目接種には、どれくらいの効果があるのか。国内外で研究が進み、発症や重症化を一定程度防げることが分かってきた。(池田悌一)

◆副反応への忌避感で接種進まず

 「3回目接種で中和抗体の量がこんなに増えるとは。オミクロン株にも効果的だ」。神戸大の森康子教授(ウイルス学)は自らの研究グループによる研究結果を驚きを持って振り返る。
 中和抗体は新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質にくっついて細胞への侵入を妨げるほか、ウイルスの活性を中和して増殖を抑える。森氏らの研究グループは18日、米ファイザー製ワクチンの3回目接種後の中和抗体の上昇について調べた結果を発表した。
 研究対象は、20~60代の神戸大病院の医師65人。3回目接種から2週間~1カ月後、オミクロン株に有効な中和抗体の量は平均で、2回接種から半年後の64倍に上昇していた。森氏は「『オミクロン株にワクチンは効かないんじゃないか』と懐疑的な見方もあるが、打って悪いことはなさそうだ」と話す。
 だが、内閣官房によると、28日公表時点で、全国民の2.7%しか3回目接種を終えていない。接種態勢の整備が遅れた影響が大きく、発熱が約4割など2回目接種後と同程度とされる副反応への忌避感も、接種が進まない要因の1つになっているようだ。

◆「免疫は時間が経過すれば低下する」

 海外でも3回目接種が発症や重症化の予防につながるというデータが示されている。米疾病対策センター(CDC)は、3回目接種がオミクロン株による入院リスクを90%引き下げたと発表した。
 英国の保健当局は、オミクロン株感染者76万人とデルタ株感染者23万人を調査した。2回目接種から20週間後、オミクロン株に対する発症予防効果は10%程度に下がったが、3回目接種から2週間後には65~75%に上昇した。
 ただし、中和抗体は次第に減り、3回目接種から10週間後の発症予防効果は50%程度に低下した。また、2回接種では44%しかなかった入院予防効果は3回目接種で89%まで上がった。
 広島大の保田朋波流ともはる教授(免疫学)は「ワクチン接種でできた免疫は時間が経過すれば低下する。3回目接種で中和抗体の量を増やせば、オミクロン株への防御効果も一時的には上がるはずだ」と話す。
 「高齢者や重い基礎疾患のある人たちが打つ意味はあると思う」と指摘した上で「ワクチンは従来株を念頭に作られている。オミクロン株への効果は限定的だろう」との見方も示した。

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