都22年度予算案 知事「脱炭素 スピード感大切」 コロナ、防災財政懸念も

2022年1月29日 07時22分

オンラインで記者会見する小池百合子知事=都庁で(都提供)

 東京都は二十八日、二〇二二年度一般会計当初予算案を発表した。税収増を見込み、七兆八千十億円と過去最大になった。新規事業も最多の五百六十八件で、「カーボンハーフ」(温室効果ガス排出量半減)などの実現に向け、小池百合子知事は「スピード感が大切」と強調した。ただ、コロナ禍が長引く中、防災や社会保障費の増加も見込まれ、財政状況は予断を許さない。(土門哲雄、西川正志)

◆歳入

 都税収入は前年度当初比五千八百五十八億円(11・6%)増の五兆六千三百八億円。このうち柱となる法人二税は前年度比33%増の一兆九千百三十八億円。
 社会資本等整備基金など特定目的基金からは五千六百四億円を取り崩す。財政調整基金の残高はコロナ対策で一時は二十一億円まで減ったが、三千九百二十七億円に持ち直した。
 都債の発行は二千九百四十六億円に抑制。このうち環境などに使途を限定した「ESG債」一千億円程度を発行する。起債依存度は3・8%で前年度の7・9%から大きく減らし、国(34・3%)と比べて低水準を維持した。都債残高は四兆九千七百四十四億円。
 事業の見直しで新規事業などにあてる財源千百十七億円を確保した。

◆歳出

 公債費などを除いた一般歳出は五兆八千四百七億円で前年度比4・1%増。このうち給与関係など経常経費を除いた投資的経費は九千七百七十六億円。
 目的別では「福祉と保健」がコロナ対策などで31・8%増の一兆七千百七億円。「生活環境」も断熱・太陽光発電住宅の普及事業などで40・1%増の二千七百八十三億円。「企画・総務」は東京五輪・パラリンピックが終わり、共同事業の負担金が減ったことなどから50・7%減の三千三百七十六億円となった。
 都は風水害や震災対策に今後十年間で二兆円以上、老朽化施設の更新に三十年間で三兆円が必要と見込む。少子高齢化と人口減少で社会保障費も三十年間で十四兆円増えるという。財務局担当者は「税収は景気などに左右され、楽観できない。堅実な財政運営を続ける必要がある」と話す。

◆主な事業 太陽光発電住宅に設備費補助

 環境面では断熱・太陽光発電住宅の設備費補助に二百四十七億円を計上。水素ステーションの整備補助に百七十七億円、燃料電池バス購入費補助に七十六億円を盛り込んだ。電気自動車などの充電設備への補助は五十五億円を盛った。
 子育てと仕事の両立が困難になる「小一の壁」を解消しようと、学童クラブの待機児童対策や認証保育所での学齢児受け入れ事業に新規で三億五千万円を計上。高校生にも一人一台の情報端末を配備し、保護者の購入費を軽減する新規事業に計六十四億円を盛った。
 防災では目黒川流域など調整池整備に十四億円。東部低地帯や東京港で地震に伴う津波や高潮被害を防ぐため、堤防や水門などを強化する新規事業に五十八億円を計上した。
 スポーツは東京五輪・パラリンピックで活用した東京アクアティクスセンターなど新規恒久施設の改修に五十八億円。スケートボード、ボルダリングなどに親しむ「有明アーバンスポーツパーク(仮称)」の整備にも四億円を盛った。
 コロナ対策は病床確保や医療従事者への手当の補助、宿泊療養施設の借り上げ、ワクチンの大規模接種会場設置などに必要な経費を盛り込んだ。

◆オリパラ局廃止 子供政策連携室新設

 都はオリンピック・パラリンピック準備局を二一年度で廃止し、二二年度は生活文化局や都民安全推進本部と統合した「生活文化スポーツ局」を新設。都民のスポーツ振興などを担う。両大会経費や報告書作成などの業務は政策企画局に新設される「オリパラ調整部」が担う。同局内には「子供政策連携室」も設け、福祉や教育の枠組みを超えた子どもの施策に取り組む。
 二二年度の都職員の定数は知事部局と公営企業で前年度比六十人増の三万九千二百九十四人。学校職員は児童生徒の増加と三十五人学級化に伴い四百十人増の六万六千二百七人。警視庁は四万六千五百一人(増減なし)、東京消防庁は一万八千六百五十五人(六人減)で計十七万六百五十七人。

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