コロナ自宅療養、食料や日用品は「自分で備蓄を」 神奈川・東京呼びかけ強化 感染急拡大で配布追いつかず

2022年1月30日 06時00分
 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染が急拡大し、自治体が自宅療養者に自分で健康観察したり、食料を調達したりするよう求める動きが強まっている。神奈川県は28日から、重症化リスクの低い人に「自主療養」を認める制度を導入し、食料や日用品の配布をやめた。東京都でも、専門家らが食料品の事前備蓄を呼び掛けている。(志村彰太、鷲野史彦)

◆異変感じたら連絡を

 「感染者激増の中でこれまでと同様の対応ができなくなっている」。神奈川県の黒岩祐治知事は28日、「自主療養」制度を始めた理由をこう強調した。自宅療養者は県内で約3万7000人に上る。
 対象は、6~49歳で重症化リスクが低いとされる自宅療養者のうち、制度の利用を希望する人。簡易検査キットで陽性となると、医療機関を受診しなくても、自分のスマートフォンなどから県のシステムに入力して「自主療養」を始めることができる。

神奈川県の自宅療養者に配られる食料など=同県提供

 これまで保健所は、自宅療養者が外出しなくて済むように電話で連絡を取り、8日分の食料や日用品の配達を希望するかどうかを確認していた。しかし、保健所の業務が逼迫していることから、自主療養者には聞き取りをやめ、食料や日用品は送らない。体調管理は自己責任で、異変を感じたら自分で連絡してもらう。
 県は現在の感染状況を「災害対応」と位置付ける。県幹部は「必要最低限のことしかできない状態」と明かし、自主療養者の食料について「家族や知人、近所での助け合いも検討してほしい」と強調する。県が自主療養を認めた人は、29日正午までで269人という。

◆配送に6日かかるケースも

 東京都も自宅療養者のうち、基礎疾患がない50歳未満の人については、保健所が定期的な健康観察はせず、患者自身にしてもらう体制に切り替えた。
 自宅療養者が6万4000人を超え、都が希望者に行っている1週間分の食料品の配送は6日程度かかるケースも出ている。業務が逼迫ひっぱくしている保健所から都への連絡が遅れていることなどが原因だ。このため都は輸送体制などを強化し、1日の配送量を3500食から1万食に拡大する。
 ただ、感染状況を分析する都のモニタリング会議の予測では、2月3日には1日のコロナ感染者が約2万4000人に達する恐れがある。
 国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は27日の会議で「感染者や濃厚接触者になり外出できなくなった場合を想定し、生活必需品の準備を都民に呼び掛ける必要がある」と訴えた。小池百合子知事も「食品などを備えておくのはどんな災害でも同じ。身の回りをご確認いただきたい」と呼び掛けている。
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 東京都は新型コロナウイルス感染で自宅療養者になった場合に備えた食料品や、日用品の例をホームページで紹介している。食料品は水分補給や、体調がすぐれない時に食べやすいものなどで、日用品は薬やマスク、トイレットペーパーなどを挙げる。量は、1~2週間分が目安という。

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