<新型コロナ>久喜の済生会病院長に聞く 医療スタッフ確保に懸命 増える高齢患者 重いケア負担

2022年2月1日 07時25分
 新型コロナウイルスの感染急拡大が続く中、入院患者を受け入れる病院では医療逼迫(ひっぱく)への危機感が高まっている。コロナ患者専用の病床を備える県済生会栗橋病院(久喜市)の長原光院長に現状を聞いた。(寺本康弘)
 同病院は感染者の急増に伴い、一月にコロナ病床を七十床から七十七床に増やした。昨年末はほとんどいなかった入院患者が今年に入って増え始め、二十六人から三十二人ほどで推移している。

コロナの入院患者をケアする看護師=久喜市の県済生会栗橋病院で

 課題は高齢者施設から受け入れる患者の増加だという。介護が必要な高齢患者の場合、食事や排せつなど治療以外の日々のケアの負担が重い。長原院長は「四十〜六十代の三人分か、それ以上に人手がかかる」と説明。高齢者施設でクラスター(感染者集団)が頻発するようになって、より人員を割かなければならなくなってきている。
 ただ、医療を支えるスタッフの確保に問題が生じている。感染拡大で保育園の休園や小学校の学級閉鎖が増え、子どもを預けられず出勤できない看護師らも出てきている。家族がコロナ陽性となり、自身が濃厚接触者に認定されて休むスタッフもいる。
 長原院長は「今のところ何とかやりくりはできているが、今以上の感染者数のピークを迎えた時に通常診療を減らすことはあり得る」と危機感を訴える。
 一方、オミクロン株の傾向として「現場を見ていると、デルタ株に比べて重症化しにくいのではないかと感じる」という。未解明な部分もあり、感染力の強さが脅威ともされるが、重症化しやすいとされてきた肥満や糖尿病、高齢などのリスク因子がある人でも、これまでのところ「第六波」で受け入れた中では、重症に至ったケースはないという。
 長原院長は「(コロナ以外の)急性期で搬送される人と、コロナで入院する人を比べると、デルタ株まではコロナ患者の方が(状態が)深刻だったと思うが、オミクロン株では急性期の患者の治療を頑張らないといけないかもしれない」とし、通常医療とのバランスを再考する必要性を指摘する。その上で「国は最新のデータを集めてオミクロン株での重症化のリスク因子を示してほしい」と訴えた。

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