時に物議を醸し、時に喝采を浴びた「石原節」 1日に死去が判明した元東京都知事・石原慎太郎氏の政界引退会見

2022年2月1日 14時17分

政界からの引退を発表した、次世代の党の石原慎太郎最高顧問=東京都千代田区で

 東京都知事を13年半務めた元衆院議員で作家の石原慎太郎氏が死去したことが1日、分かりました。その発言は常に注目されました。石原氏が2014年12月16日に政界引退を正式表明した時の本紙記事(同17日付朝刊)を再掲します。
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 40年余りにわたり国会議員や東京都知事を歴任し、今回の衆院選で落選した次世代の党最高顧問の石原慎太郎さん(82)が16日、都内で記者会見し、政界引退を正式に表明した。時に物議を醸し、時に喝采を浴びた「石原節」は、この日も変わらなかった。(中山高志)
 「割と晴れ晴れとした気持ちで政界を去れるなあという気でおります」。東京・内幸町の日本記者クラブ。約150人の報道陣を前に引退の弁を述べた。
 選挙前、肉体的な衰えや高齢から「解散をきっかけに引退するつもりだった」という。しかし党若手議員から要請され「討ち死に覚悟の出陣」として出馬に踏み切ったことを明かした。
 中国の記者から「本当に中国が嫌いか」と聞かれ「共産中国嫌いです。あなた方がチベットをなくした」とぶぜんとして言い放った。香港の記者が尖閣諸島の対応をめぐり「首相ならどうするか」などと尋ねると「追っ払います」「中国じゃないか、衝突仕掛けているのは」とまくしたてた。
 かつてともに日本維新の会で共同代表を務めた橋下徹・大阪市長については、田中角栄元首相らを引き合いに「あんなに演説のうまい人、見たことない」と激賞。首相になる可能性も「あると思う」と持ち上げた。
 心残りを問われると「憲法の一字も変わらなかったこと」と即答。「言いたいこと言ってやりたいことやって、人から憎まれて死にたい」と冗談交じりに心境を語り、会場を後にした。
 最後の選挙では応援演説で各地を駆け回った。人気は健在で、兵庫県伊丹市の会場は、聴衆が入り口からあふれた。東京都国分寺市の演説会では「次世代の若者たちに命を預けます」と語り、調布市の男性(22)は「石原さんの志を若い政治家が継いでほしい」と感銘を受けた様子だった。
 一方、体の衰えは隠せない。いすから立ち上がる際には両手を机について顔をしかめた。歩調も小刻みで弱々しく、体調を崩して応援をキャンセルしたことも。伊丹市の男性(67)は「声も少し弱くなったようだ。お気の毒に」と話した。

◆都知事時代に国と対決

 石原さんは、1968年に参院選全国区でトップ当選し政界入りした。99年には都知事選に初当選。ディーゼル車規制など都独自の政策で政府との対決姿勢を打ち出した。一方、過激な発言が問題視されることもたびたびだった。
 2012年には4期目途中で辞職し、太陽の党結成を経て日本維新の会に合流し国政に復帰。しかし、解党後に結成した「次世代の党」は衆院選で大敗を喫した。石原さんを昔から知る関係者は「都知事3期目が辞める潮時だった」と引き際を惜しむ。
 今後については会見で、若手芸術家の国際交流に力を入れる考えを示した。一方、三男で東京3区で当選した自民党の石原宏高さん(50)は「これからは物書きとして、今の新しい政治家に叱咤激励をしてほしい」と父にエールを送る。

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