<ミロ展 日本とのつながり>(1)身近にあった和の世界 《シウラナ村》1917年

2022年2月2日 07時32分

ジョアン・ミロ 吉野石膏コレクション(山形美術館寄託)© Successió Miró / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 E4304

 「ミロ展−日本を夢みて」では、ジョアン・ミロと日本の深いつながりをひもとく。ミロが日本に興味をもったきっかけや、憧れを示す作品をBunkamura ザ・ミュージアムの吉川貴子学芸員に全3回にわたり解説してもらう。
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 ジョアン・ミロは1893年に地中海を望むスペインの街バルセロナで生まれた。ミロが生まれる5年前に万国博覧会が開催されたこの地では、空前のジャポニスム・ブームに沸いていた。生家はバルセロナの日本の美術商店が集まる中心街に隣接しており、家から数メートルのところに日本美術の輸入販売店があった。幼いころから身近にあった日本美術の影響は、青年期の作品にも表れている。本作は24歳の時の作品で、切り立った断崖が特徴の小村を描いている。構図の決め手となる地形は、ジグザグに折れ曲がったりうねったりしながら描かれ、日本画の類型化した土羽(どは)(盛り土ののり面)の表現によく似ている。
 美術学校時代に日本美術を愛好する友人を得たことにより、かねて見知っていた浮世絵などの表現を作品制作時に参考にしたのは自然な流れだったのだろう。この後もミロは生涯にわたり日本美術に魅せられつづけ、制作時のインスピレーションの源としていった。 (次回は9日掲載)

◆11日から渋谷で

 「ミロ展」は11日から4月17日まで東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催。会期中一部日程で入場日時予約あり。詳細は展覧会公式HPへ。

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