昨年衆院選の「1票の格差」を東京高裁が合憲と判断、原告請求を棄却

2022年2月3日 06時00分
東京高裁の判決を受けて会見する升永英俊弁護士(中)ら=東京・霞が関の司法記者クラブで

東京高裁の判決を受けて会見する升永英俊弁護士(中)ら=東京・霞が関の司法記者クラブで

 「1票の格差」が最大2・08倍だった昨年10月の衆院選は投票価値の平等に反して違憲だとし、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京高裁(三角比呂裁判長)は2日、小選挙区の区割りは「合憲」と判断し、原告側の請求を棄却した。
 2つの弁護士グループが289のすべての小選挙区での選挙無効を求めて全国14の高裁・高裁支部に提訴し、判決は2例目。1日の高松高裁の「違憲状態」と判断が分かれた。原告側は上告する。
 判決は、人口比をより正確に反映できる議席配分方法「アダムズ方式」の導入が2016年の国会で決まり、「最大格差が2倍未満となることが見込まれていた」と指摘。今回2倍を超えたのは、想定と異なる人口移動があったことなどが原因として「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったとは言えない」と結論付けた。
 これまでの「1票の格差」訴訟で最高裁は、格差が2倍を超えた2014年の衆院選まで3回連続で「違憲状態」と判断してきた。最大格差が1・98倍だった17年衆院選に関しては、アダムズ方式の導入決定や区割り見直しを評価し、「合憲」としていた。

◆どの時点を基準とするかで判断分かれる

 原告側は判決後の記者会見で、「高松高裁で『違憲状態』の判断が示された後だけに、東京高裁の判断は残念」と落胆した。
 判断を分けたのは、どの時点を基準に違法性を判断するか。高松高裁判決は、基準を選挙当日とし「後に施行される是正措置は考慮すべき要素ではない」とした。一方、東京高裁は、将来的に2倍未満となる是正措置が取られていることなどを根拠に「合憲」とした。
 原告弁護団の升永英俊弁護士は「1976年の最高裁判決は『投票日』を基準日にしており、高松高裁は踏襲したが、東京高裁は投票日以後の事情をくみ、判断がまるで逆になった」と分析。伊藤真弁護士も「判決は『将来2倍未満になるから我慢しろ』と言っているようなものだ」と批判した。久保利英明弁護士は「地域によって1人が2倍以上の選挙権を持つのは民主主義ではない。最高裁まで争う」と力を込めた。(小沢慧一)

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