オミクロン株の特徴が明らかに 重症化率は低いが短期間で重篤化 高齢者には脅威

2022年2月4日 06時00分
 新型コロナウイルスの新変異株オミクロン株の特徴が、次第に明らかになってきた。第5波のデルタ株に比べ重症化率は低いものの、症状の進行が早く、ワクチン効果が薄れた高齢者には脅威となっている。感染ピークを越えた沖縄県では、高齢者の感染者の割合が増加。全国で同じ事態が広がれば、病床逼迫ひっぱくや緊急事態宣言発出が現実味を帯びる。(沢田千秋)

◆重症化率はデルタ株の3分の1

 「(全国で)ピークに近づいている」。厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は2日、まもなく第6波の頂点が来るとの見方を示した。3日の新規感染者数は10万人を突破。第5波で最多だった8月20日の約2万6000人の約4倍だ。
 感染拡大が先行した地域の例から、オミクロン株の重症化率の低さが見えてきた。国が定義する重症者は、集中治療室(ICU)入室中か、人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使う患者。専門家組織に出された広島県のデータでは、60代以上の重症化率は第5波の4.3%に対し、第6波は1.4%。オミクロン株はデルタ株に比べ、感染力は高いが、重症化率は3分の1程度との傾向が読み取れる。

◆高血圧や糖尿病も重症化リスク要因

 オミクロン株による病状などの研究も進む。感染研は1月14~24日に、重症か死亡の報告があった81人の患者を調査。担当した鈴木基・感染研感染症疫学センター長は「ゲノム(全遺伝情報)解析で確定していないが、大半がオミクロン株の患者」とみる。年齢の中央値は重症が72歳、死亡は87.5歳と高齢だ。高齢以外の重症化リスク要因は、高血圧や糖尿病、慢性腎臓病が目立った。
 感染判明時は発熱やせきなどの軽症が多く、多臓器不全や重い肺炎は1割前後しかない。だが、症状の進行は早い。発症からの日数の中央値は、重症まで4日、死亡までは3日だった。鈴木氏は「数が少なく結論は出せないが、デルタ株より短い印象だ」と話す。

◆ワクチン効果弱まり重症化か

 81人のうちワクチン未接種者は13.6%。接種者でも、最終接種からの日数の中央値は重症が184日、死亡は200.5日で、半年以上経過していた。ワクチン効果の弱まりが重症化につながった可能性がある。
 ピーク後も警戒すべきは高齢者の感染増加だ。沖縄県では新規感染者数が最多だった1月中旬、感染者に占める70代以上の割合は4.2%。ところが新規感染者が4分の1まで減った1月末は、70代以上は10.6%に増えた。専門家組織の資料では、1月前半と後半の増減率は年代別で70代だけが増えた。

◆脇田座長、高齢者の3回目接種加速の必要性強調

 脇田氏は、高齢者のワクチン3回目接種の加速や、未接種者を減らす必要性を強調する。「若年層中心の飲食の場での爆発的な感染拡大から場面が変わり、感染が高齢者、小児に移りつつある。爆発的な感染は収まっても、まだしばらく家庭、学校、施設での感染が継続する」
 東京都は3日に、緊急事態宣言要請の新基準として、重症者病床使用率などを示した。今後は、重症化しやすい高齢者を感染から守り、病床を確保し続けられるかが、宣言発出のカギとなる。

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧